服薬指導に活かす医薬品情報

リフレックス錠

Q

何のお薬?

A

適応症は「うつ病・うつ状態」です。


抗うつ剤の投与により、24歳以下の患者で、自殺念慮、自殺企図のリスクが増加するとの報告があるため、本剤の投与にあたっては、リスクとベネフィットを考慮することとなっています。

Q

用法・用量は?使用上の注意は?

A

1日1回就寝前に経口投与します(初期量15mg、維持量15~30mg)。年齢、症状に応じ1日45mgを超えない範囲で適宜増減しますが、増量は1週間以上の間隔をあけて1日用量として15mgずつ行います。


また、突然の中止により、不安、焦燥、興奮、浮動性めまい、錯覚感、頭痛及び悪心等があらわれることが報告されています。投与を中止する場合には、突然の中止を避け、患者の状態を観察しながら徐々に減量します。

                

Q

禁忌、慎重投与は?

A

本剤の成分に対して過敏症の既往歴のある患者、MAO阻害剤(セレギリン塩酸塩)を投与中あるいは投与中止後2週間以内の患者は禁忌です。また、肝、腎機能障害、自殺念慮又は自殺企図の既往、躁うつ病、心疾患、低血圧、緑内障のある患者等は慎重投与となっています。

           

Q

副作用は?

A

主な副作用として、傾眠、口渇、倦怠感、便秘等が報告されています。重大な副作用として、セロトニン症候群、無顆粒球症、好中球減少症、痙攣、肝機能障害、黄疸、抗利尿ホルモン不適合分泌症候群、多形紅斑、QT延長、心室頻拍の報告があります。

Q

SSRI、SNRI との違いは?

A

以下に代表的な薬剤の特徴をまとめました。

                
SSRI マイルドな抗うつ作用

うつ病の第一選択薬・薬により他適応あり悪心・嘔吐が発現しやすい
パロキセチン(パキシル) 【副作用】抗コリン性副作用、性機能障害が多い【特徴】抗不安作用あり、投与量と血中濃度が非線形、離脱症状が起こりやすい、CYP2D6 で代謝、CYP2D6 を阻害
セルトラリン(ジェイゾロフト) 【副作用】下痢が多い【特徴】投与量と血中濃度が線形、再燃抑制効果あり、5-HT 再取り込み阻害作用の選択性が高い、肝代謝酵素の影響・相互作用が少ない
エスシタロプラム(レクサプロ) 【副作用】心室頻拍、QT 延長【特徴】治療用量から投与可能、CYP2C19 で代謝
            
SNRI マイルドな抗うつ作用

うつ病の第一選択薬・一部疼痛に適応あり
デュロキセチン(サインバルタ) 【副作用】不眠が多い【特徴】CYP1A2で代謝・CYP2D6 を阻害、高度の肝障害・腎障害がある患者には禁忌
ベンラファキシン(イフェクサー) 【副作用】嘔吐が多い【特徴】5-HT再取り込み阻害作用が強い、CYP2D6・CYP3A4 で代謝、離脱作用が起こりやすい
      
NaSSA 強力な抗うつ作用

意欲や気力を回復させる効果あり

抗5-HT 作用が強く、睡眠、体重増加の副作用が多いが、睡眠障害の改善に優れる
ミルタザピン(リフレックス、レメロン) 【副作用】口渇・便秘・嘔気・性機能障害が少ない、眠気・体重増加が多い【特徴】肝代謝酵素の影響・相互作用が少ない、早期に効果が認められる(投与1 週目から効果あり)

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派遣薬剤師のススメP
掲載日: 2019/12/13
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