服薬指導に活かす医薬品情報

グーフィス錠

Q

何のお薬?処方目的は?

A

慢性便秘症(器質的疾患による便秘を除く)」を適応症とする薬剤です。添付文書には、「薬剤性及び症候性の便秘に対する使用経験はない」と記載があります。

Q

用法・用量は?

A

通常、成人には10mg を1 日1 回食前に経口投与します。症状により適宜増減しますが、最高用量は1 日15mg です。漫然と継続投与することのないよう定期的に投与継続の必要性を検討すること、とされています。食前投与の理由は、食事などの刺激により胆汁酸が十二指腸に放出される以前に投与されていることが望ましいためです。空腹時投与(例:就寝前)ではないので注意しましょう。食前に服用を忘れたときには、「食後」ではなく「次の食前」に服するよう指導します。

Q

作用機序は?

A

世界で初めての胆汁酸トランスポーター阻害薬です。回腸末端部の上皮細胞に発現している胆汁酸トランスポーターを阻害し胆汁酸の再吸収を抑制します。大腸内に流入する胆汁酸の量を増加させることで「大腸内の水分分泌」や「大腸運動の促進」により排便が促されます。この作用機序から、LDLコレステロール値が低下することが懸念されました。これは排泄された胆汁酸を補充するために、LDLコレステロールから胆汁酸の合成が促進されるためです。国内第Ⅲ相臨床試験の結果では、投与開始後にLDLコレステロールが約10%低下しています。長期投与では経時的に低下することはなかったため、「臨床上の影響は低い」とされ、添付文書の副作用の項目にコレステロールに関する臨床検査値の報告はありません。

Q

注意すべき副作用は?

A

主な副作用は腹痛、下痢、下腹部痛、腹部膨満等です。重大な副作用の報告はありません。

Q

相互作用は?

A

胆汁酸製剤(ウルソデオキシコール酸、ケノデオキシコール酸)の吸収が阻害され、これらの薬剤の作用が減弱するおそれがあります。胆汁酸を吸着する製剤(スクラルファート、コレスチラミン、コレスチミド)によって、本剤の効果が減弱する可能性があります。また本剤のP-糖蛋白質に対する阻害作用により、ジゴキシン、ダビガトランとの併用で、これらの薬剤の血中濃度が上昇し、作用が増強するおそれがあります。

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派遣薬剤師のススメP
掲載日: 2020/12/03
※医薬品情報は掲載日時点の情報となります