リバゼブ配合錠 LD/HD
Q |
【何のお薬?処方目的は?】 |
A |
一般名はピタバスタチンカルシウム水和物とエゼチミブの配合錠で、適応症は「高コレステロール血症、家族性高コレステロール血症」です。それぞれピタバスタチン/エゼチミブが、LD錠には2mg/10mg、HD錠には4mg/10mg含有されています。 |
Q |
【用法・用量は?】 |
A |
通常、成人には1日1回1錠を食後に投与します。朝・昼・夕どのタイミングでも投与可能ですが、エゼチミブが食後投与のため、本剤も食後投与です。それぞれ、単剤での治療が不十分な場合や既にそれぞれを単剤で同量服用している場合などからの切り替えが前提で、本剤を治療の第一選択薬としてはいけません。 |
Q |
【副作用・注意点は?】 |
A |
重大な副作用として代表的なものが横紋筋融解症(頻度不明)で、両剤ともに報告されています。初期の自覚症状としては、四肢の脱力、手足・肩・腰・全身の筋肉痛、こわばり、赤褐色尿などで、特にピタバスタチンの増量時には注意が必要です。肝機能障害のある患者さまにも注意が必要で、特に重篤な肝機能障害や胆道閉塞がある患者さまには禁忌です。安全性が確立されていないため、妊婦及び妊娠の可能性がある婦人へも投与禁忌です。コレステロール及びコレステロール生合成産物は胎児の発育に必須なので、HMG-CoA還元酵素阻害剤の投与により胎児に有害な影響を与える可能性があります。 |
Q |
【高コレステロール血症の治療と薬物併用について】 |
A |
LDLコレステロールの管理には、食事や運動などの生活習慣の改善が必要ですが、それだけでは管理目標値の達成が困難な場合に薬物療法が推奨されます。薬物療法では、HMG-CoA還元酵素阻害剤が動脈硬化性疾患予防のエビデンスが確立しており、国内外のガイドラインにて第一選択薬として推奨されています。しかし、それだけではLDLコレステロールの管理目標値を達成できない患者さまも多く、その場合には他の薬剤の追加が必要とされています。「動脈硬化性疾患予防ガイドライン」では、HMG-CoA還元酵素阻害剤への追加を考慮すべき薬剤のひとつとしてエゼチミブや、エボロクマブなどのPCSK9阻害薬が推奨されており、日本でも一定数の患者さまがピタバスタチンカルシウムとエゼチミブを併用していると推計されています。 |
Q |
【服薬指導実践編 ~チャレンジしてみよう!】 |
内科を受診しているAさま(58歳 女性)が以下の処方箋をお持ちになりました。 【Rp1】リバゼブ配合錠HD 1錠 1日1回 朝食後 14日分 Aさまは、当薬局には初めての来局です。「2年ほど前から高コレステロール血症の治療を続けています。前回までは、お薬を1種類服用していたのですが、なかなか値が下がらないため、今回からお薬を1つ増やすと医師に言われました。なのに1種類しか処方されていないのですか?」と質問がありました。お薬手帳を確認すると、前回までは「ピタバスタチンCa錠2mg」が処方されていました。あなたならどう答え、どう対応しますか? |
|
A |
【回答例】
(例)今回処方されているお薬は、今まで服用されていたピタバスタチンに、エゼチミブという別の成分が配合されたお薬です。そのため、処方は1種類ですが、実質は2つのお薬を服用することになります。今までのピタバスタチンは肝臓でコレステロールが作られるのを抑えるお薬で、今回追加になったエゼチミブという成分は、小腸からコレステロールが吸収されるのを抑えます。まったく違う作用のお薬を併用することになりますので、LDLコレステロールの値が下がっていくことが期待できます。ただ、Aさまが前回まで服用されていたのはピタバスタチンの2mg錠なので、今回処方されているリバゼブ錠HDではピタバスタチンの投与量も増えてしまいます。もう1種類のLDという規格のお薬の可能性もありますので、医師に確認するためしばらくお時間いただけますでしょうか。 |
※医薬品情報は掲載日時点の情報となります