アンテベート軟膏
Q |
何のお薬?処方目的は? |
||||||||||||||||||
A |
very strongに分類されるステロイド外用剤で血管収縮作用、抗炎症作用により皮膚の炎症症状を鎮めるために使用されます(表1)。通常、very strongに分類される薬剤は大人では体幹部、子供では腕や足など四肢に処方されることが多いとされていますが、外用剤の使用法は処方医によってもさまざまです。患者さまが医師からどのような指示を受けているのか情報収集しましょう。 表1.主なステロイド外用剤の臨床効果分類
|
Q |
1回にどれくらいの量を使えばいい? |
A |
"FTU(finger-tip unit)"という単位を用いて患者さまに説明するといいでしょう。25gチューブで人差し指の第一関節から指先まで押し出した量(1FTU:約0.5g)を、成人の手掌2枚分として塗布します。ただ、これはあくまで指標であり、医師より特別な塗り方の指示がある場合は異なりますので注意が必要です。また、塗る際は摩擦が刺激となり皮膚が傷ついたり痒みの一因となるため、強く塗りこまないように指導してください。 |
Q |
注意すべき副作用は? |
A |
毛のう炎・せつ、ざ瘡様発疹、皮膚萎縮、毛細血管拡張、真菌感染、刺激感等が報告されていますので、これらの症状がないか確認してください。ステロイド外用剤の副作用に対する誤解は根強く、患者さまのみならず医療従事者の中にも「顔が丸くなる」「皮膚が象のように硬くなる」等適正に使用していれば実際には起こりえない副作用をイメージすることが多いのも事実です。ステロイド外用剤に対する誤った認識を是正し、適切に外用剤を使用してもらえるよう指導しましょう。 |
Q |
他の外用剤との併用時、どちらから使う? |
A |
塗布順序は全身性副作用に影響がないという報告があり、このことから効果も影響されないと考えられています。ただ、医師から塗布順序の指示を受けていない場合には、「塗布する面積の広い外用剤から先に塗布する」と指導しましょう。そう することで、ステロイド外用剤が塗布する必要のない部位にまで広がることがなく、皮膚委縮などの局所性副作用の発現を防止することができます。 |
Q |
配合変化が起こる薬剤は? |
A |
アンテベート軟膏と1:1で混合した際、8週後に残存率が95%を下回った薬剤はドボネックス軟膏、レスタミンコーワクリームでした。また、アンテベート軟膏の残存率に問題はなかったものの分離がみられた薬剤はパスタロンソフト軟膏、ヒ ルドイドローションで、さらにヒルドイドローションは配合時の混和しづらさもあります。混合指示の処方せんを応需した場合はメーカーに問い合わせ、配合変化試験情報を確認しましょう。 |
※医薬品情報は掲載日時点の情報となります