デュロテップMTパッチ
Q |
何のお薬?処方目的は? |
A |
モルヒネやオキシコドンと同じく強オピオイドに分類され、適応症は「非オピオイド鎮痛剤及び弱オピオイド鎮痛剤で治療困難な中等度から高度の疼痛を伴う各種癌、および中等度から高度の慢性疼痛における鎮痛(ただし、他のオピオイド鎮痛剤から切り替えて使用する場合に限る)」です。初回から用いられる薬剤ではないため、これまでの疼痛治療歴を確認しましょう。 WHO3 段階除痛ラダー
がんの痛みには、さまざまな種類・程度があり、鎮痛薬も患者さまの痛みの強さに応じて使い分けます。がんの痛みだからといって、痛みが弱いのにいきなり強力な鎮痛薬を使うわけではありません。あくまでも痛みの強さや使った上での効果を見て、段階的に鎮痛薬を選んでいきます。 [ステップ①]軽度の痛みにはNSAIDsまたはアセトアミノフェンを使用し、これを基本とする [ステップ②]痛みが強くなってきた時はステップアップし弱オピオイドを追加 [ステップ③]ますます痛みが強くなってきた時は強オピオイドに変更 ポイントは、NSAIDsやアセトアミノフェンからオピオイド製剤への変更ではなく、追加であることです。また、一連の疼痛治療を通して鎮痛補助薬も必要に応じて使用します。この3 段階方式で治療すれば、80~90%の痛みが取れるとされています。 |
Q |
用法・用量は? |
A |
胸部、腹部、上腕部、大腿部等に貼付し、3日毎(約72時間)に貼り替えて使用します。初回貼付用量は本剤投与前に使用していたオピオイド鎮痛剤の用法・用量を勘案して決定します。切り替え時は換算表をもとに、投与量が妥当であるか確認しましょう。その後の貼付用量は患者さまの症状や状態により適宜増減します。なお、貼付可能用量の上限はありません。本剤に反応する疼痛であり、有効性が危険性を上回ると判断された場合には、患者さまの至適投与量まで増量し疼痛緩和を行います。ただし本剤の増量を続けても除痛されない場合は、本剤に反応しない疼痛の可能性があるため、1回50.4mgを超える場合には、一度、併用薬など他の方法を考慮します。 |
Q |
副作用は? |
A |
主な副作用は傾眠、嘔気・嘔吐、便秘です。ただし、他のオピオイド製剤と比較して便秘や眠気は起こりにくく、これらの副作用によって他のオピオイド製剤の継続服用が困難になった場合に本剤に切り替えられることがあります。オピオイド服用中は副作用対策も重要ですが、便秘は耐性がないため、投与中は下剤の投与などによる継続した対策が必要です。また、嘔気・嘔吐の副作用は投与初期に起こりやすく、制吐剤を併用します。 |
Q |
他のオピオイド製剤からの切り替えは? |
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A |
皮膚から血中に移行するまで時間がかかるため、切り替え前に投与されていたオピオイド製剤の1日の投与回数に合わせ、以下のように一時的に併用し、切り替えることが推奨されています。
本剤を剥離してもしばらくは血中にフェンタニルが残存するため、本剤から他のオピオイド製剤に切り替える場合は低用量から開始し、患者さまの状態を観察しながら適切な鎮痛効果が得られるまで漸増します。 |
Q |
貼ったままお風呂に入ってもいい? |
A |
40℃程度のぬるめのお風呂は可能ですが、吸収量増加により薬理作用が増強する恐れがあるため、熱いお風呂に汗をかくほど長時間入らないよう注意する必要があります。同様に、冬場はカイロなどの熱源に接しないよう注意します。粘着力が弱くなった場合はパッチを剥がし、直ちに同用量の新たなパッチに貼り替えます。 |
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