- 公開日:2020.05.03
「第105回薬剤師国家試験」結果発表について
2020年3月24日、厚生労働省より「第105回薬剤師国家試験」の合格結果が発表されました。今年は新型コロナウィルスの感染拡大を踏まえて受験番号の掲示による発表は行われず、ウェブサイト掲載での発表となりました。科目によって差があるものの、全体的に難易度が高い試験だと感じた方も多いのではないでしょうか。
様々な不安やプレッシャーを乗り越え合格されました皆様、本当におめでとうございます。
今回は合格結果について詳しく解説していきたいと思います。
受験者数と合格率について
近年の合格者数と合格率
第105回 受験者数 14,311人合格者数 9,958人 合格率 69.58%
第104回 受験者数 14,376人合格者数 10,194人 合格率 70.91%
第103回 受験者数 13,579人合格者数 9,584人 合格率 70.58%
受験者数はほぼ平年並みでしたが、合格率は例年より低く、第102回に合格基準が改定されて以降初めて合格率が7割を下回りました。合格率が低い理由として、「応用力」「思考能力」「問題解決力」が求められる出題が多く、全体的な難易度が高かったことが考えられます。在学中、熱心に勉強し大学卒業が見込まれていても、国家試験合格率が7割弱という結果は薬剤師への道が「狭き門」であることを表しているのではないでしょうか。
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▼参考資料はコチラ>厚生労働省 第105回薬剤師国家試験の結果について
男女別合格率について
第105回 受験者の男女別内訳
男性 受験者 5,678人合格者 3,823人 合格率 67.33%
女性 受験者 8,633人合格者 6,135人 合格率 71.06%
薬剤師は、同じ6年制の大学を卒業する医師や歯科医師と比べても女性に人気のある職業であり、その男女比は4:6と言われています。本年度も薬剤師を目指す女性の受験者数は8,633人と、受験者数全体の約6割を占めました。
受験者数に対し、女性の合格率が71.06%と近年で最も低い数値であったことは、やはり試験の難易度が高かったことが影響しているのではないでしょうか。
設置主体別合格率について
第105回 設置主体別合格率
国立大学 受験者数 635人 合格者 539人 合格率 84.88%
公立大学 受験者数 270人 合格者 231人 合格率 85.56%
私立大学 受験者数 13,405人 合格者 9,188人 合格率 68.54%
近年の結果からみて、国立、公立大学は毎年合格率が安定しています。私立大学については、それぞれの大学で国家試験に対しての取り組みが異なり、大学によって合格率にばらつきがあります。また毎年多くの合格者を輩出する大学は人気が高く、入学試験の難易度と国家試験合格率には相関性のあることが考えられるのかもしれません。
かつては4年制だった薬学部も2006年度から6年制に移行。薬学科を受講する期間が2年延びたことで、これまでの薬学生より専門的な内容を取得できるようになりました。移行後の卒業生が受験を開始した2012年以降は合格率が上昇傾向。しかし近年は臨床教育に重点を置いた「医療現場での実践能力」や「応用力」を問う出題が多く、試験内容もさらに難しくなってきたため合格率は減少傾向にあります。
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未来に貢献できる薬剤師へ
2日間かけて行われる薬剤師国家試験。知識だけではなく、体力や精神力も求められる大きな難関です。 しかし難関だからこそ、時代から求められる貴重な存在として、これからの未来に広く貢献できるのではないでしょうか。
さて、合格通知が届いたら、いよいよここからが薬剤師人生のスタートです。
就職活動は社会人への第一歩。社会人として求められることは、普段の学生生活では意識していないことが多いため、事前にしっかりと確認しておくことが大切です。
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