- 公開日:2024.11.29
薬剤師にやりがいを感じられない...。現状を変えるためのキャリアデザインの重要性
薬剤師として働く中で、やりがいを感じられないと悩む方もいるかもしれません。日々の業務に追われると、成長の実感や達成感が得られにくくなることもあるでしょう。そんな時には、一度キャリアを見つめ直して、新たなやりがいや目標を考えてみるのはどうでしょうか。
本記事では、薬剤師がやりがいを持って働くための「キャリアデザイン」の重要性や考え方、具体例などを紹介します。
- 薬剤師としてやりがいを持って働くには?キャリアデザインの重要性
- そもそもキャリアデザインとは?キャリアプランとの違いって何?
- 薬剤師のキャリアデザインの考え方
- 薬剤師のキャリアデザインの例
- キャリアデザインに迷ったら、転職コンサルタントに相談を
薬剤師としてやりがいを持って働くには?キャリアデザインの重要性
これまで長期的なキャリアについて考える機会があまりなく、キャリアをデザインすることの必要性を感じないという方もいるでしょう。技術の進歩や制度の改革が進む中で、薬剤師の役割にも変化がみられています。薬剤師として働く上で、キャリアデザインが重要とされる理由や背景について解説します。
将来像を描くことでやりがいにつながる
薬剤師として長く働いていると、やりがいを感じられなくなることがあるかもしれません。
未来に対して前向きなイメージが持てなかったり、現状のマイナス面ばかり考えてしまったりする場合は、キャリアを見直して、必要に応じて働き方や環境を変えることを検討するのがおすすめです。
ありたい姿を描き、新しい目標に向かって計画を立てることで、モチベーションを高めることができるでしょう。
計画的な知識とスキルの獲得で環境変化に適応
医療DXの進歩により、薬剤師に求められる能力が変化しています。 様々なシステムの導入により、それらを効果的に活用する能力が求められます。対物業務が効率化されることで、対人業務が中心となっていくと予想されるため、コミュニケーション能力もさらに高める必要があります。
また、高齢化により在宅医療のニーズが高まっている中で、多職種連携のためのコミュニケーション能力や、患者さまの生活環境を考慮した服薬指導のスキルも重要になっていきます。
このように薬剤師を取り巻く環境は常に変化しています。その変化に適応し、薬剤師としての経験を活かして働くためには、必要な知識やスキルを獲得するためのキャリアをデザインしていくことが重要です。
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▼参考資料はコチラ
薬剤師のキャリアデザインとキャリア教育の必要性|日本薬学教育学会
薬局薬剤師DXの推進について|厚生労働省
患者のための薬局ビジョン ~「門前」から「かかりつけ」、そして「地域」へ~|厚生労働省
そもそもキャリアデザインとは?キャリアプランとの違いって何?
そもそもキャリアデザインとは何か、解説します。
キャリアデザインは職業人生を設計するもの
キャリアデザインは、仕事だけでなくプライベートも含めた、職業人生を設計することを指します。自分のもつスキルや性格、ライフスタイルなどを考慮し、世の中の変化も勘案しながら、理想の働き方や将来像を明確にしていきます。
たとえば「子育てと両立しながら専門性を高め、患者さまの健康に貢献する薬剤師として働き続ける」「薬剤師として経験を積み、将来的には興味がある医療政策の仕事にチャレンジする」など、広い視野での人生設計がキャリアデザインに該当します。
キャリアプランとの違い
キャリアデザインに似た言葉として「キャリアプラン」があります。キャリアプランは、やりたい仕事や理想の働き方、獲得したいスキルなど、職業のみに関する目標や行動計画です。
たとえば「3年以内に認定薬剤師の資格を取得する」「5年後には管理薬剤師として働く」といった具体的な目標や、そのための行動計画がキャリアプランに該当します。
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▼参考資料はコチラ
薬剤師のキャリアデザインとキャリア教育の必要性|日本薬学教育学会
薬剤師のキャリアデザインの考え方
キャリアデザインを考える際は、スキルや知識、経験、価値観、ありたい姿などを総合的に考慮することが重要です。キャリアデザインの具体的な考え方は以下の通りです。
スキルや知識、経験を洗い出す
まずは、現在のスキルや知識、経験を客観的に振り返り、洗い出してみましょう。薬学的知識はもちろん、コミュニケーション能力、ITスキル、マネジメント経験など、幅広い観点から自己分析を行います。
洗い出すスキルや知識、経験の例
これらを整理することで自身の強みが明確になり、今後のキャリアの方向性を考える上で役立ちます。
力が発揮できる環境や業務を振り返る
次に、どのような環境で最も力を発揮できるか、どのような業務が自分に合っているかを振り返ります。たとえば以下を考えてみましょう。
このような特性を理解すれば、自分に合った職場環境や業務を選択しやすくなります。
仕事に対する価値観を整理する
仕事に対する価値観を明確にすることも、キャリアデザインを考える上で重要です。何を大切にしたいか、何によってやりがいを感じるかを考えましょう。
仕事に対する価値観の例
価値観を整理して、自分に合ったキャリアの方向性を見つけましょう。
ありたい姿や行動計画を描く
最後に、これまでの分析を踏まえ「どのような環境でどのような仕事をしたいか」を含め、自分のありたい姿を具体的に描きます。長期的なキャリアをイメージしづらい場合は、3年後、5年後の姿を考えてみるとよいでしょう。
併せて、ありたい姿を目指すためにどのような行動が必要かも考えます。
ありたい姿や必要な行動の具体例
地元で家族と暮らしながら、地域医療に貢献したい
・在宅医療の経験を積み、在宅業務にも対応できるようにする
・地域の医療従事者と定期的にコミュニケーションをとり、関係を深める
明確なビジョンを持ち、具体的な行動計画を設計していきましょう。
薬剤師のキャリアデザインの例
さまざまな薬剤師の働き方を知ることで、固定観念にとらわれないキャリアデザインを描きやすくなります。キャリアデザインの具体例を2つ紹介します。
ライフイベントに対応しながら、専門性を高める
薬剤師として病院や調剤薬局などの現場で働きながら、専門性を高めていくキャリアデザインです。結婚や育児などのライフイベントも想定しつつ、行動計画に認定薬剤師などの資格取得を組み込み、特定の領域でリーダーシップを発揮する薬剤師を目指します。
たとえば、がん専門薬剤師を目指す場合、以下のようなキャリアデザインが考えられます。
Webライターとして医療記事を執筆する
薬剤師の専門知識を活かしつつ、新たなキャリアを築く選択肢として、Webライターとして医療記事を執筆する道があります。
安定した収入を確保するのが難しいといった課題もありますが、フリーランスとなった場合、柔軟な働き方をすることができます。
Webライターのキャリアデザインの例
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▼参考資料はコチラ
薬剤師のキャリアデザインとキャリア教育の必要性|日本薬学教育学会
キャリアデザインに迷ったら、転職コンサルタントに相談を
薬剤師としてやりがいを感じられていない場合、キャリアデザインの考え方は、現状を改善するヒントとなるのではないでしょうか。
これまでキャリアデザインを描く機会がなかった方は、一人で考え抜くのは難しいかもしれません。その場合は転職コンサルタントに相談してみるのがおすすめです。様々な薬剤師の転職のサポートを行ってきたコンサルタントのアドバイスを受けることで、新たな視点や可能性に気づくことができるかもしれません。
あなたに合ったキャリアデザインを考え、実現への道筋を立てていきましょう。
ファルマラボ編集部
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