- 公開日:2023.11.30
履歴書・職務経歴書の書き方(後編)【転職コンサルタントに聞いてみた!「本音のホンネ」シリーズ】vol.2
「会う」ことを大切にしているファルマスタッフ。転職を考えている皆さんに向けて、「本音で届ける」をテーマにしたコラムの連載がスタート!転職コンサルタントの3名に「選考を突破するための履歴書・職務経歴書」について質問させて頂きました。それでは、vol.1の続きをお届けします。
- インタビュアー
- 後編も引き続きインタビューしていきたいと思います。
Q:「病院」「薬局」など、希望する職場によって職務経歴書の書き方に違いはあるのか。
- インタビュアー
- 選考先ごとに職務経歴書の内容を書き変えることは、大変ですよね。
- Mさん
大変だと思いますが選考を突破するためにもこだわりたいところです。
それでは、下記をご覧ください。
病院と薬局では求められるポイントが異なります。特に病院を希望する場合、薬局よりも専門性が求められる傾向にあります。
以下の項目で経験したことのあるものは必ず記入しましょう。
■選考先に合わせて、職務経歴書に具体的に書いてほしいポイント
・「培ってきたスキルや経験で入社したらどのように貢献できるのか」自己PR欄に記入する
・「どのような工夫をして結果に貢献したのか」具体的に自己PR欄に記入する
・処方箋の対応枚数
■以下は、選考先によって重要度の変わる項目です。判断に迷う時は全て記載しておきましょう。
・病棟で経験した事のある科目
・委員会の参加実績、学会発表
・他業種との連携や関係構築の経験
・混注などの病院独自の業務経験
・シフト管理・在庫管理をしていた経験
・当直や夜勤の経験
- インタビュアー
- 希望する職場環境に合わせて内容を細かく書かないといけないから大変ですね。
- Sさん
病院といっても「急性期」「ケアミックス」「療養型」と色々な種類があるので、選考先の病院によってはアピール部分を変えても良いと思います。
「急性期病院」や「処方箋枚数が200枚~300枚超えるような忙しい店舗」での経験があるなら、「忙しい環境への耐性もあります!」とアピールするのもいいですね。
- Yさん
まるっきり内容を変える必要はなく、自己PRや、選考先で重要だと思われるポイントを少し変えるだけでも大丈夫ですよ。
とはいえ、「熱意」を文章だけで伝えなければいけないので、そこは頑張りどころですね(笑)
Q:採用担当者から見た「好印象の職務経歴書」 はどんな内容か。
- インタビュアー
- 「採用担当者が好印象を持つ職務経歴書」は、どんな特徴があるのでしょうか。
- Mさん
本音のホンネ...ですが、転職の回数が少ないということはそれだけで「好印象」を持たれやすく、選考に進みやすい傾向はあります。
- インタビュアー
- 本音のホンネ、も教えていただきありがとうございます!でも転職回数に限らず、好印象を与えるポイントもきっとありますよね?
- Yさん
もちろんです!先ほどから話の出ている「職務経歴書」の内容がその企業向けの内容になっているものは、やはり好印象です。
志望動機、職務経歴書の内容、自己PRに一貫性があり「説得力」があるものは採用担当者の印象は良いです。
- Sさん
特に職務経歴書は「就職活動への温度感の現れ」と感じる採用担当者も多いため、簡素すぎないかという点も意識してみましょう。
「好印象を持たれるポイント」を下記にまとめてみましたので、意識しながら作成してみてください。
■「採用者に好印象を与える職務経歴書」のポイント
・簡潔でポイントがまとめられており、見やすい。
※あまりにも文章量が多すぎると逆にマイナスの印象を持たれる可能性があるので注意。
・職務経歴書は多くても3~4枚程度にまとめましょう。(※職歴の数にもよる)
・「応需科目」「人数体制」「処方箋枚数」「業務内容」が各職歴毎に箇条書きでまとめられている。
・「定性面」と「定量面」が具体的に記載されている。
※「定性面」とは、どんな事を意識したか、職場内外に対してどのように業務に取り組んできたかわかること。
- Sさん
特に定量面として「具体的な結果や数字」の部分はとても重要です。
「後発品率を60%から、80%に上げた」
「かかりつけ件数で社内で表彰を受けた」
「薬局の売上を前年比で○○%上げた」など。具体的な数字で出した実績があれば、必ず記載しましょう。
- インタビュアー
- 「結果に対する意識」はどの職場でもチェックされる部分ですよね。
- Yさん
また注意して頂きたいことは、職務経歴書の場合、「自己PR」と「自慢」を混同してしまう方が見受けられます。
自分の「ニガテ」や「経験不足」もうまくおり交ぜていきましょう。
自分の未熟な部分も理解したうえで、「貴社・貴院に入社したらこうなりたい」というような思いを伝えることも大切です。
- Mさん
具体的には「こういうことをやってきた」「私はこれだけできる」というだけではなく、「〇〇な部分はまだ足りないところがありますが、貴社・貴院の発展に貢献できるようスキルアップしていきたい」など、まとめられているといいですね。
- インタビュアー
- 「良い内容」ばかり書くのではなく、「挑戦・成長していきたい」気持ちをおり交ぜていくこともポイントですね。
【まとめ】書類選考を突破するための履歴書・職務経歴書の書き方のポイント
★採用者の目にとまりやすい履歴書のポイント
- 「自分のキャリアビジョン」と「企業理念や会社の目指すところ」が重なるかどうかが、志望動機のポイント。
- 「自分の強み」「自分の仕事への思い」「志望理由」この3点を文章におり交ぜながら、5~7行程度にまとめられている。
- 記載すべき項目を省かない。
- 全体的に見やすく、綺麗に記載されている。
★面接したくなる職務経歴書のポイント
- 「これは書かなくても良いかな」と思うことでも、一度全部書き出す。そこから整理していく。
- 「自分がどういう働き方、経験をしたいか」「どのような点にやりがいを感じるか」等、選考中の企業とマッチするワードを見つけながら職務経歴書を作成していく。
- 職歴が多い方は、より丁寧に作る。「各職歴の退職理由の整合性」「様々な環境でどんな経験を積んできたのか。入社したらどう活かせるのか」をしっかり採用担当者に伝わるようにまとめる。
- 「どんな科目を経験してきたか」「1日何枚の処方箋を何人で対応したか」「在宅医療の経験の有無」等、具体的な対応内容や数字に基づいた内容を必ず記入する。
- インタビュアー
転職を成功させるためには、履歴書・職務経歴書の準備がとても重要になりますので、丁寧に準備していきましょう。
もし何か困ったことがあれば、お気軽に転職コンサルタントへ相談してみてくださいね。
さて、次回の「本音のホンネ」はvol.3。
「面接」についてアドバイスしていきたいと思います。それではまた次のコラムでお会いしましょう。
監修者:町田 あやか
2012年よりメディカルリソースに勤務。
薬剤師や登録販売者の転職サポートに従事。現在は転職に限らず、ファルマラボ編集部にも所属し、学びという切り口で『薬剤師の方が前向きに働く』為の無料サービスの企画・運営を担当。
2016年にキャリアコンサルタント(国家資格)、2018年に登録販売者を取得。
薬剤師業界の発展と薬剤師の方一人ひとりのエンプロイアビリティの向上に役立つような情報発信を目指しています。