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  • 公開日:2020.12.07

<業種別> 新人薬剤師がやりがちなミスとは?先輩薬剤師に聞く解決策もご紹介!

<業種別> 新人薬剤師がやりがちなミスとは?先輩薬剤師に聞く解決策もご紹介!

薬剤師免許を取得したばかりの新人薬剤師には、仕事のあらゆる悩みがつきもの。「やることが多くて時間がない」「知識不足でわからないことばかり」「社会人としてのマナーが難しい」...など、悩みの種類には様々なものがあります。

なかでも、調剤ミスや発注ミスなどの「ミス」に悩む薬剤師は多いのではないでしょうか。

この記事では、まだ仕事を覚えたての新人薬剤師が引きおこしがちなミスを業種別にご紹介します。ミスを起こしたときの対処法や、一人前を目指す新人薬剤師が心がけるべきことなどについても解説するので、ぜひ参考にしてみてくださいね。

新人薬剤師は失敗を経験しながら一人前になる

医薬品は、病気やケガの治療などで重要な役割を果たしますが、使い方を誤れば重大な副作用を引きおこすこともめずらしくありません。様々な医薬品を扱う薬剤師の仕事は、患者さまの命に直結しています。薬剤師にとって、患者さまに「正しくお薬を渡す」ことは、仕事をするうえで最も優先すべきことといえるでしょう。

しかし、ミスを完全になくすことは非常に困難であることも事実。とくに経験の少ない新人薬剤師のうちは、失敗はつきものであり、ほとんどの薬剤師がミスを経験しながら一人前になっていきます。ただし、何度も同じミスを繰り返している場合には、注意が必要です。そのミスがいずれ命にかかわる事態を招く可能性もあるので、再発防止を考えることが重要となるでしょう。

すべての新人薬剤師が引きおこしがちなミスとは?

新人薬剤師のイメージ

ここでは数多くあるミスのなかでも、とくに新人薬剤師が引きおこしがちなミスについて解説していきます。

数量の取り間違い

薬剤師のミスのなかでも多いのが、「数量の取り間違い」です。薬剤師は、処方箋に記載された内容にもとづいて調剤を行いますが、医薬品には様々な包装があります。10錠単位のPTP以外にも、6錠単位のPTPや14錠単位のPTPなどが一般的に使用されているため、数量の取り間違いに注意が必要です。

薬剤や規格取り間違い

数量の取り間違いと同様に、「薬剤や規格の取り間違い」にも注意が必要です。たとえば、ペニシリン系抗生物質の「アモリン」と睡眠導入剤の「アモバン」は、名前が似ており取り間違いを起こしやすい薬剤のひとつとして知られています。また、「ワーファリン0.5mg」と「ワーファリン5mg」のように、まぎらわしい規格を有する薬剤にも注意しましょう。

用法用量の確認ミス

医薬品には、それぞれ決まった用法用量が定められており、処方に誤りがあれば疑義照会を行わなくてはなりません。新人薬剤師のうちは、すべての用法用量を把握することは難しく「用法用量の確認ミス」に気をつけなければいけません。たとえば、リセドロン酸ナトリウム水和物錠17.5mgが1日1回で処方されている場合には、1週間に1回の用法もしくは2.5mg錠の規格の間違いでないかを確認する必要があるでしょう。

<業種別>新人薬剤師が引きおこしがちなミス

新人薬剤師のイメージ

ここでは、新人薬剤師が引きおこしがちなミスについて、業種別に解説していきます。調剤薬局や病院などの臨床現場だけでなく、ドラッグストアや製薬会社のMRとして働く薬剤師についても見ていきましょう。

調剤薬局

調剤業務が主な業務である調剤薬局の薬剤師が引きおこしがちなミスとして、前述の医薬品の取り間違いや、用法用量の確認ミスがあげられます。また、「かかりつけ薬剤師」として患者さまを担当している場合には、飲み合わせのチェックや、健康食品やサプリメントとの相互作用のチェックにも注意しましょう。

病院

病院では、外来調剤や病棟業務に加えて、DI業務や抗がん剤業務、院内ラウンド業務、カンファレンスの参加など、様々な業務を並行してこなさなくてはなりません。新人のうちは任される業務も限られますが、忙しさから業務失念や報告漏れなどのミスが起こりやすいため、注意が必要です。

ドラッグストア

ドラッグストアで働く薬剤師は、調剤業務(調剤併設店の場合)やOTC医薬品の販売業務、接客業務などを担当します。OTC医薬品販売時の記帳や必須確認事項、説明事項の漏れなどに注意しましょう。また、ドラッグストアでは備品やOTC医薬品、食品などの発注も重要な業務であるため、発注ミスや過剰発注などもよくあるミスとして知られています

MR(製薬会社)

製薬会社のMRは、医薬情報担当者として、担当先の医師や薬剤師、医薬品卸に対して情報提供を行います。コンプライアンスに配慮した情報提供をする必要があるため、規約や薬機法違反に気をつけなくてはなりません。業務量も多く、アポイントや説明会、講演会などが入ることも多いため、遅刻や業務失念などのミスに気をつけましょう。

先輩薬剤師が答える!「ミスを防ぐ方法」と「新人薬剤師が心がけるべきこと」

新人薬剤師のイメージ

ほとんどの薬剤師がミスを経験しながら成長していくため、新人薬剤師がミスを引きおこすことは決してめずらしくありません。過去のミスについて反省するのも必要ですが、次また同じミスをしないように対策をすることも大切です。ここでは、「ミスを防ぐ方法」と「新人薬剤師が心がけるべきこと」について解説していきます。

ミスをした内容の原因と解決策をまとめる

ミスをしたときは、次に同じミスを起こさないことが大切です。なぜミスが起こってしまったのか、ミスの原因についてしっかりと考え、解決策をまとめるようにしましょう。たとえば、まぎらわしい名前の薬の取り間違いであれば、調剤棚に間違えやすい薬剤であることの注意書きを貼るなど、再発防止対策を講じましょう。

わからないことをそのままにしない

新人薬剤師のうちは、知識不足がミスを招くことも珍しくありません。調剤業務のミスは、患者さまの命にかかわる恐れもあるので、わからないことは必ず確認しましょう。自分だけで解決できない場合には、先輩薬剤師の力を借りることも重要です。いわゆる「教育係」の先輩薬剤師以外にも、相談しやすい先輩薬剤師を見つけておくといいでしょう

ほかの薬剤師とダブルチェックを必ず行う

ミスを防ぐ方法のひとつに、「ダブルチェック」があります。複数の薬剤師がチェックをすることで、ミスに気づく確率は格段に上がります。周りに薬剤師がいる場合には、積極的にダブルチェックをしてもらいましょう。どうしてもひとりで調剤・鑑査を行わなければならない場合には、調剤過誤防止機器の使用を徹底するとともに、時間をおいて鑑査をするなどの工夫をしましょう

ミスをしたときは上司や先輩にきちんと報告する

ミスをしたときに、ほかのスタッフに指摘される前に自分で気づき、事なきを得るケースもあります。このような場合は、誰にも言わずに黙っているのではなく、上司や先輩にきちんと報告しましょう。ミスの内容を共有することで原因を突き止めるとともに、同じ失敗を繰り返さないよう解決策を考えることが重要です。

ミスが頻繁に起こるときに確認すべきこと

一度ミスを起こしてしまうと「またミスをしたらどうしよう...」と考えて、頭のなかが真っ白になり、また次のミスにつながってしまうこともあります。ミスが頻繁に起きている場合には、本人の心構えの問題もありますが、職場の体制に問題があるということも。次のポイントについて確認するようにしましょう。

  • ミスを回避するための仕組みが作られているか
  • 職場の教育体制は整っているか
  • 周りに相談できる先輩や上司はいるか
  • 過度な残業や休日出勤など、無理な勤務が続いていないか
  • 新人薬剤師のミスを防止するためには、職場のフォローアップ体制や周囲のサポートが不可欠です。上記について問題がある場合には、職場の上司に相談するなどして、再発防止の環境を整備する必要があります。また、何ヵ月経っても状況が変わらないようであれば、別の勤務先を検討することも考慮しましょう。

    ミスが続く場合には、起きる原因を考えよう

    新人薬剤師のうちは、仕事に慣れず知識も不十分であるため、失敗がつきものです。現場で活躍する先輩薬剤師もミスを経験して成長しているため、ひとつの失敗を気にしすぎるのは避けましょう

    しかし、同じミスが続いてしまう場合には、注意が必要です。職場のフォローアップ体制や周囲のサポートに問題がある可能性も高いため、もし心当たりがあれば薬剤師専門の転職コンサルタントに相談してみるといいでしょう。

    「転職をするべきなのか」はたまた「自分の心構えの問題なのか」...。ヒアリングから答えを導き出して、解決策を提示してくれるはず。転職を本格的に検討する際には、次の職場が限られてしまう場合もあります。上手に転職コンサルタントを活用して、薬剤師としてのキャリアを築いていきましょう。

    ファルマラボ編集部

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    記事掲載日: 2020/12/07

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