服薬指導に活かす医薬品情報

エディロールカプセル

Q

何のお薬?処方目的は?

A

適応症は「骨粗鬆症」です。骨粗鬆症は「骨強度の低下を特徴として、骨折のリスクが増大しやすくなる骨格疾患」と定義されています。骨粗鬆症による脊椎、大腿骨頸部及び前腕部の骨折は、患者さまの日常生活動作(ADL)や生活の質(QOL)を低下させ、寝たきりの原因になります。そのため、骨折を予防することは非常に重要であると考えられています。骨粗鬆症は発症要因に「カルシウム代謝」と「骨代謝」の異常が関与していますが、本剤はその両方を改善する働きがあり、骨への作用を強化した新しい活性型ビタミンD3製剤です

Q

作用機序は?

A

本剤は、活性型ビタミンD3製剤であるカルシトリオール(ロカルトロール)の1α,25(OH)2D3の26位にヒドロキシプロピルオキシ基を導入した新規の活性型ビタミンD3製剤です。 従来のビタミンD3製剤が有する消化管からのカルシウム吸収促進作用に加え、強い骨吸収抑制作用があります。骨吸収抑制効果は、破骨細胞の形成阻害によるものと考えられています。

Q

副作用について

A

主な副作用は尿中カルシウム増加(20.3%)、血中カルシウム増加(15.0%)等が報告されています。初期症状としては、全身倦怠感、吐き気、口渇、尿量増加、食欲不振等があらわれます。また、尿路結石のある方および過去に尿路結石があった方は、本剤服用中は定期的に尿中カルシウム値の検査が行われます。そのため、服薬指導時には定期的に(3~6ヶ月に1回程度)、血清カルシウム値の検査が行われているかどうか確認しましょう。

Q

アルファカルシドールとの違いは?

A

従来のビタミンD3製剤であるアルファカルシドールとの比較試験において、本剤服用群の3年間での非外傷性新規椎体骨折発生頻度が対照群17.5%に対して13.4%、前腕骨骨折発生頻度が対照群3.6%に対して1.1%であったことが報告されています。さらに3年後の腰椎骨密度平均変化率が、対照群0.1%に対して3.4%であったことから、本剤の骨折抑制効果及び骨密度増加作用がアルファカルシドールと比較して優れていることが分かります。 このことから「骨粗鬆症の予防と治療ガイドライン」の骨密度の増加・椎体骨折の抑制において、本剤はビタミンD3製剤の中で唯一推奨グレードAと認定されています。

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派遣薬剤師のススメP
掲載日: 2018/03/05
※医薬品情報は掲載日時点の情報となります