マグミット錠
Q |
適応症と用法・用量は? |
A |
適応症と成人の用法・用量は以下の通りです。 1.下記疾患における制酸作用と症状の改善 胃・十二指腸潰瘍、胃炎(急・慢性胃炎、薬剤性胃炎を含む) 上部消化管機能異常(神経性食思不振、いわゆる胃下垂症、胃酸過多症を含む) 1日0.5~1.0gを数回に分割経口投与。 2.便秘症 1日2gを食前または食後の3回に分割経口投与、または就寝前に1回投与。 3.尿路シュウ酸カルシウム結石の発生予防 1日0.2~0.6gを多量の水とともに経口投与。年齢や症状により適宜増減します。 |
Q |
作用機序について(体内動態) |
A |
酸化マグネシウム(MgO)が胃酸(HCl)と反応し中和します(制酸剤の作用)。 胃酸との反応で生成した塩化マグネシウム(MgCl2)は膵液(NaHCO3)と反応し、重炭酸マグネシウム[Mg(HCO3)2]になり、最終的には炭酸マグネシウム(MgCO3)になります。これらは腸壁から浸透圧によって水分を引き寄せます。腸管内容物が水分により膨張し、腸管を刺激することで排便を促します(緩下剤としての作用)。 また、腸管内でマグネシウムとシュウ酸(H2C2O4)が結合します。その結果、シュウ酸の吸収が抑えられ、尿中への排泄も低下します。また、マグネシウムは腸管から微量に吸収され、腎臓より尿中へ排出されます。そして比較的可溶性の高いシュウ酸マグネシウムを形成し、不溶性のシュウ酸カルシウム((COOCa)2)結石の形成を防ぎます(尿路シュウ酸カルシウム結石の発生予防としての作用)。 |
Q |
高マグネシウム血症について |
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A |
本剤の投与により、高マグネシウム血症があらわれることがあります。特に、便秘症の患者さまでは、腎機能が正常な場合や通常用量以下の投与であっても、重篤な転帰をたどる例が報告されています。以下の点に留意しましょう。
▼ 必要最小限の使用にとどめる。
▼ 長期投与又は高齢者へ投与する場合には定期的に血清マグネシウム濃度を測定するなど特に注意する。
▼ 嘔吐、徐脈、筋力低下、傾眠(眠気でぼんやりする、うとうとする)等の症状があらわれた場合には、服用を中止し、直ちに受診するよう患者さまに指導する。
血中マグネシウム濃度が高値になるにつれ、深部腱反射の消失、呼吸抑制、意識障害、房室ブロックや伝導障害等の不整脈、心停止等があらわれることがあります。処置として、催吐ならびに胃洗浄やグルコン酸カルシウム静注等の症状に応じた適切な処置、マグネシウムの除去のために血液透析等を行うことがあります。表3に高マグネシウム血症時の症状をまとめます。
※高マグネシウム血症時の症状 |
Q |
相互作用について |
A |
本剤は吸着作用、制酸作用等を有しているため、難溶性のキレート形成や消化管内・体液のpH 上昇、その他の理由により他の薬剤の吸収・排泄等に影響を与えることがあります。効果減弱を避けるため、服用間隔をあけ、同時に服用させないように指導する場合もあります。 |
掲載日: 2019/07/25
※医薬品情報は掲載日時点の情報となります
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