ビプレッソ徐放錠
Q |
何のお薬?処方目的は?用法・用量は? |
A |
ビプレッソ徐放錠の効能・効果は「双極性障害におけるうつ症状の改善」のみで、統合失調症の適応はありません。同じクエチアピン製剤(セロクエル)と適応症が異なります。徐放性製剤のため、用法は1日1回で、服用時点は「就寝前」の指定があり、食後2時間以上あける必要があります。食後投与した場合、空腹時投与と比較してCmaxが約2倍に上昇するという報告があります。徐放錠であることから割ったり、噛み砕いたり、すりつぶしたりせずに服用するよう指導します。適応は「うつ症状」の改善なので、躁状態になったときは投与を一時中止します。 |
Q |
相互作用は? |
A |
本剤は主にCYP3A4で代謝されます。そのためCYP3A4阻害剤(イトラコナゾール、エリスロマイシン等)により本剤の血中濃度が上昇する可能性があります。またCYP3A4誘導剤(フェニトイン、カルバマゼピン、リファンピシン等)との併用で本剤の作用が減弱する可能性があります。 |
Q |
注意すべき副作用は? |
A |
主な副作用は傾眠、口渇、倦怠感、めまい等です。自動車の運転など危険を伴う機械の操作を行わないように指導します。重大な副作用として、高血糖、糖尿病性ケトアシドーシス、糖尿病性昏睡があり警告に記載されています。「糖尿病」、「糖尿病の既往歴のある患者」は投与禁忌です。 |
Q |
オランザピンとの違いは?(双極性障害治療) |
A |
現在、「双極性障害のうつ症状の改善」の適応があるのはクエチアピン徐放錠とオランザピンの2剤のみです。双極性障害のうつ症状に使用する場合は、両剤とも1日1回、就寝前です。クエチアピン徐放錠は「食後2時間以上あける」の指示がありますが、オランザピンは食事の影響を受けないためその指示はありません。ちなみに、オランザピ ンの適応は「双極性障害の躁症状の改善」もあります。(ほか統合失調症、抗悪性腫瘍剤(シスプラチン等)投与に伴う消化器症状(悪心、嘔吐)の適応あり)またオランザピンは普通錠のほかにOD錠、細粒があります。 |
掲載日: 2020/12/17
※医薬品情報は掲載日時点の情報となります
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