メマリー錠
Q |
何のお薬?処方目的は? |
A |
「中等度及び高度アルツハイマー型認知症における認知症症状の進行抑制」を適応症とします。 |
Q |
用法・用量は? |
A |
通常、成人にはメマンチンとして1日1回5mgから開始し、1週間に5mgずつ増量し、維持量として1日1回20mgを経口投与します。1回5mgからの漸増投与は副作用の発現を抑える目的のため、維持量まで増量します。 |
Q |
注意すべき患者さまは? |
A |
高度腎機能障害(クレアチニンクリアランス:30mL/min未満)の場合、10mgが維持量です。 |
Q |
作用機序は? |
A |
アルツハイマー型認知症ではグルタミン酸神経系の機能異常が関与しており、グルタミン酸受容体のサブタイプであるNMDA受容体チャネルの過剰な活性化が原因の一つと考えられています。メマリーはNMDA受容体チャネルを阻害することにより機能異常を抑制します。 |
Q |
服用上の注意点は? |
A |
投与開始初期にめまいや傾眠が認められることがあり、転倒等に注意が必要です。アルツハイマー型認知症自体に機械の操作能力の低下がみられますが、メマリー服用でも眠気を催すことがあるので、服用中は自動車の運転等、危険を伴う機械の操作に従事させないよう注意します。 |
Q |
注意すべき副作用は? |
A |
主な副作用には、めまい、頭痛、便秘、食欲不振、血圧上昇、血糖値上昇、転倒、浮腫、体重減少等があります。重大な副作用には痙攣や失神、精神症状、横紋筋融解症等があります。 |
Q |
相互作用は? |
A |
NMDA受容体に関連し、レボドパ等のドパミン作動薬の作用を増強します。また、NMDA受容体拮抗作用を持つアマンタジンやデキストロメトルファン等との併用で相互の作用を増強します。その他、シメチジン等の腎尿細管分泌により排泄される薬剤や、アセタゾラミド等の尿アルカリ化をおこす薬剤との併用でメマリーの血中濃度が上昇します。 |
Q |
他の認知症薬剤との使い方の違いは? |
A |
アルツハイマー型認知症の認知症症状の進行抑制に使用される薬剤はコリンエステラーゼ阻害剤(ChEI)であるドネペジル、ガランタミン、リバスチグミンの3種類とNMDA受容体拮抗薬であるメマリーがあります。ドネペジルはいずれの状態にも使えますが、ガランタミン、リバスチグミンは軽度から中等度、メマリーは中等度から高度に対して使用します。そのため、軽度ではChEIから1剤、中等度ではいずれかの薬剤又はChEIとメマリーの併用、高度ではドネペジルかメマリーのいずれか、または併用を行います。レビー小体型認知症に対してはドネペジルのみが適応を持ちます。 |
掲載日: 2021/03/11
※医薬品情報は掲載日時点の情報となります
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