レキサルティ錠
Q |
何のお薬?処方目的は? |
A |
「統合失調症」を適応症とします。 |
Q |
用法・用量は? |
A |
通常、成人にはブレクスピプラゾールとして1日1回1mgから投与を開始した後、4日以上の間隔をあけて増量し、1日1回2mgを経口投与します。 本剤は、CYP2D6およびCYP3A4により代謝され、その影響を強く受けます。CYP2D6の活性が欠損している患者さまやCYP3A4阻害剤を併用する場合等、用量調節が必要です。 |
Q |
注意すべき患者さまは? |
A |
前述のCYP2D6活性が欠損している患者さまでは調節が必要です。また、高度腎機能障害(クレアチニンクリアランスが30mL/min未満)又は中等度から重度の肝機能障害(Child-Pugh分類B又はC)のある患者さまでは減量や投与間隔の延長が必要です。 |
Q |
作用機序は? |
A |
セロトニン5-HT1A受容体の部分アゴニスト作用、セロトニン5-HT2A受容体アンタゴニスト作用およびドパミンD2受容体の部分アゴニスト作用があります。セロトニン-ドパミン神経系を調節するSDAM(セロトニン-ドパミンアクティビティモジュレーター)という働きがあり、統合失調症において深く関与するこれらの神経系を調節することにより効果を発揮すると考えられています。 |
Q |
服用上の注意点は? |
A |
眠気等を催すことがあるので、服用中は自動車の運転等、危険を伴う機械の操作に従事させないよう注意します。高血糖や糖尿病の悪化が現れることがあり、口渇、多飲、多尿、頻尿等の症状に注意が必要です。体重増加および脂質異常症等の代謝変化があらわれることがあるため、体重の推移の確認が必要です。また、原疾患による可能性もありますが、病的賭博や病的性欲亢進、強迫性購買等の衝動抑制障害について十分に説明をする必要があります。 |
Q |
注意すべき副作用は? |
A |
主な副作用には錐体外路症状としてアカシジアが挙げられます。じっとしていることができない、立ったり座ったりを繰り返す等の症状に注意が必要です。その他、頭痛、不眠、悪心、便秘等があります。 |
Q |
相互作用は? |
A |
CYP2D6、CYP3A4以外に影響がある薬剤として、バルビツール酸誘導体等の中枢神経抑制薬や降圧薬による相互の作用の増強や、ドパミン作動薬やレボドパ製剤との併用によるドパミン作動作用の減弱があります。また、アルコールによる中枢神経抑制作用も増強します。 |
Q |
エビリファイとの違いは? |
A |
抗精神病薬の中ではエビリファイが比較的薬理作用等が類似しています。エビリファイはドパミンシステムスタビライザー(DSS)と呼ばれ、従来の第二世代抗精神病薬(非定型抗精神病薬)の錐体外路症状や体重増加、脂質異常症や糖尿病等の代謝障害を改善した薬剤として販売されましたが、レキサルティはエビリファイを含めた抗精神病薬よりさらに副作用低減および有用性を高めた薬剤として開発されました。投与にあたっては用量設定がシンプルであること等がメリットとして挙げられます。適応は使用経験が豊富なエビリファイが広く、レキサルティが統合失調症のみであることに対し、エビリファイでは統合失調症、双極性障害における躁状態の改善、うつ病・うつ状態、小児期の自閉スペクトラム症に伴う易刺激性があります。 |
掲載日: 2021/02/25
※医薬品情報は掲載日時点の情報となります
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