インチュニブ錠
Q |
何のお薬?処方目的は? |
A |
効能・効果は「注意欠陥/多動性障害(AD/HD)」です。疾患の特徴から小児に投与されることが多い薬剤で、AD/HDに伴う症状の改善が期待されます。小児のAD/HDは不注意・多動性・衝動性の3つを主症状とし、学業や社会的活動に影響を及ぼします。具体的な症状としては、授業や会話に集中できない、授業中に席を離れる、注意せずに道に飛び出す、順番を待てない等があります。 以前まで、小児の疾患という考え方が一般的でしたが、成人期まで継続する疾患であることが分かっており、多動性以外の症状が持続します。 |
Q |
用法・用量は? |
A |
通常、18歳未満の患者さまに対し、体重50kg未満の場合はグアンファシンとして1日1mgより、体重50kg以上の場合はグアンファシンとして1日2mgより投与を開始します。1週間以上の間隔をあけて1mgずつ増量します。体重により維持用量、最高用量が設定されています。18歳以上の場合は1日2mgより開始し1週間以上の間隔をあけて1mgずつ、1日4~6mgの維持用量まで増量します。いずれも1日1回投与です。 |
Q |
作用機序は? |
A |
詳細な作用機序は明確にはなっていませんが、AD/HDの患者さまの前頭前皮質では、ノルアドレナリン作動性神経伝達のシグナル伝達が減弱している可能性が考えられています。前頭前皮質の錐体細胞の後シナプスに存在するノルアドレナリンのα2A受容体を選択的に刺激することでシグナル伝達を増強すると考えられています。 |
Q |
使用上の注意点は? |
A |
眠気を催すことがあるので、服用中は自動車の運転等、危険を伴う機械の操作に従事させないよう注意します。また、体重増加をきたすことがあります。定期的に体重測定を行い、肥満の徴候があらわれた場合は食事療法や運動療法を行います。 |
Q |
注意すべき副作用は? |
A |
副作用は多く、起立性低血圧、傾眠、不眠、口渇、便秘、倦怠感、体重増加等が報告されています。重大な副作用として、高度な低血圧、徐脈により失神に至る場合があるため、血圧および脈拍数を定期的に確認します。 |
Q |
相互作用は? |
A |
本剤は、主として肝代謝酵素CYP3A4/5で代謝されます。併用禁忌はありませんが、イトラコナゾール、リトナビル、クラリスロマイシン等のCYP3A4阻害剤は本剤の代謝を阻害するため併用注意です。一方、リファンピシンやカルバマゼピン、フェノバルビタール等のCYP3A4を誘導する薬剤はインチュニブの血中濃度が減少し作用が減弱します。その他、降圧剤等の血圧を下げる薬剤やジギタリスとの併用により降圧作用や徐脈作用が増強するため併用注意となっています。 |
掲載日: 2021/02/10
※医薬品情報は掲載日時点の情報となります
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