服薬指導に活かす医薬品情報

ビムパット錠

Q

何のお薬?処方目的は?

A

「てんかん患者の部分発作(二次性全般化発作を含む)」を適応症とします。
新しい作用機序をもつNa+チャネルブロッカーで、てんかん診療ガイドライン2018では、新規発症の部分発作における第二選択薬として記載されています。

Q

用法・用量は?

A

成人、小児(4歳以上)いずれも次の用量を1日2回に分けて経口投与します。
増量は1週間以上の間隔をあけておこない、1日用量として成人では100mg以下ずつ、小児では2mg/kg以下ずつ増量します。単回経口投与では食事の影響は認められませんでした。
投与量の急激な減量や投与中止により、てんかん発作の増悪、てんかん重積状態があらわれることがあるため、投与を中止する場合には、少なくとも1 週間以上かけて徐々に減量します。

Q

注意すべき患者さまは?

A

肝機能障害を有する患者では本剤の血漿中未変化体のAUC が増加する可能性があるため、重度の肝機能障害のある患者には投与禁忌です。また、約30~40%が未変化体として腎排泄されるため、腎機能障害のある患者への投与も注意が必要です。
軽度又は中等度の肝機能障害のある患者や重度及び末期腎機能障害のある患者では、成人は1日最高用量を300mgにする等慎重に投与します。

Q

作用機序は?

A

従来の薬剤とは異なる機序により、電位依存性Na+チャネルの緩徐な不活性化を選択的に促進し、過興奮状態にある神経細胞膜を安定化させることで抗けいれん作用を示すと考えられています。

Q

注意すべき副作用は?

A

主な副作用は浮動性めまい、疲労、傾眠、頭痛等です。投与中は自動車の運転等、危険を伴う機械の操作には従事させないよう注意します。
PR間隔延長作用が認められているため、心伝導障害や重度の心疾患の既往、Na+チャネル異常のある患者等にも注意が必要です。また、易刺激性、興奮、攻撃性等の精神症状があらわれ、自殺企図に至ることもあるので注意する必要があります。
重大な副作用は、房室ブロック、徐脈、失神、中毒性表皮壊死融解症、皮膚粘膜眼症候群、薬剤性過敏症症候群、無顆粒球症が報告されています。

Q

相互作用は?

A

房室ブロック等が発現するおそれがあるため、PR 間隔の延長を起こすおそれのある薬剤は併用注意となっています。併用禁忌はありません。 また、カルバマゼピン、バルプロ酸等一般的に使用されている抗てんかん薬と臨床的に重要な相互作用は認められていません。

掲載日: 2021/04/08
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