服薬指導に活かす医薬品情報

モビコール配合内用剤

Q

何のお薬?処方目的は?

A

効能・効果は「慢性便秘症(器質的疾患による便秘を除く)」です。

成人・小児ともに国内第Ⅲ相試験における、服用してから効果発現までの時間の中央値は2.0日でした。

Q

用法・用量は?

A

    
初回用量 最大用量 1回量上限
12歳以上 2包/日 6包/日 4包/回まで
7~11歳 2包/日 4包/日 2包/回まで
2~6歳 1包/日 4包/日 2包/回まで

年齢に応じた初回用量を1日1回水で溶解して経口投与します。以降、症状に応じて適宜増減し、1日1~3回投与します。ただし、増量は2日以上の間隔をあけておこない、増量幅は1日量として12歳未満では1包まで、12歳以上では2包までです。 本剤は食事等の影響はなく、また服用時間が効果に影響しないと考えられるため、服用のタイミングは服薬コンプライアンスを考慮し対応します。

Q

作用機序は?

A

マクロゴール4000の浸透圧により腸管内の水分量が増加し、便中水分量増加、便の軟化、便容積の増大により、生理的に大腸の蠕動運動が促進され排便が促されます。腸管内の水分増加により排便が滑らかになると考えられます。

腸内の電解質バランスを維持し、便中の浸透圧を保持するため、塩化ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、塩化カリウムが配合されています。

Q

注意すべき副作用は?

A

国内での臨床試験で認められた主な副作用は、下痢、腹痛等の消化器症状です。臨床試験では重篤な副作用は認められていませんが、海外の添付文書にアナフィラキシーの記載があります。

過量投与により、下痢又は嘔吐による過度の体液喪失が生じた場合、脱水や電解質異常が起こる可能性があります。水分摂取、電解質補正等の処置が必要になります。

Q

便秘薬の種類について

A

膨張性下剤:水分を吸収させることで便を軟らかくし、便量を増やします。便量が増加するため腹部膨満の症状が出る場合もあります。

浸透圧性下剤:腸内の浸透圧を高くして水分分泌を促す糖類・塩類下剤、水分を保持し腸管に届けるマクロゴール等があります。

大腸刺激性下剤:大腸を刺激して排便を促します。頓用又は短期間での投与が推奨されています。

その他:新たな作用機序による薬剤として、上皮機能変容薬(腸液分泌促進薬:アミティーザ、リンゼス)と胆汁酸トランスポーター阻害薬(グーフィス)があります。

掲載日: 2021/04/22
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