服薬指導に活かす医薬品情報

アメナリーフ錠

Q

何のお薬?処方目的は?

A

効能・効果は「帯状疱疹」です。

Q

用法・用量は?

A

通常、成人にはアメナメビルとして1回400mgを1日1回食後に経口投与します。食後としているのは、海外健康成人を対象とした試験の結果、アメナメビルのCmax及びAUCが、食後投与に比べて空腹時投与で約0.64倍及び0.52倍と減少した結果が得られたためです。
本剤は、主に糞中に排泄されるため、既存の経口抗ヘルペスウイルス薬(アシクロビル、バラシクロビル、ファムシクロビル:尿中排泄)とは異なり、腎機能が低下している患者さまでも用量調節の必要はありません。

Q

作用機序は?

A

ウイルスのDNA複製に必須であるヘリカーゼ・ プライマーゼ複合体の酵素活性を直接阻害(二本鎖DNAの開裂・RNAプライマーの合成抑制)することで作用を示します。これまでの既存薬は核酸類似体と呼ばれ、デオキシグアノシン三リン酸と競合的に拮抗してウイルスのDNA複製を阻害することで作用を示していました。このように本剤は既存薬と作用機序が異なることで、交叉耐性を示さないと考えられています。

Q

使用上の注意点は?

A

服用開始が発病初期に近いほど効果が期待できます。目安として皮疹出現後5日以内に投与を開始し、原則として7日間使用します。

Q

注意すべき副作用は?

A

主な副作用には薬疹(紅斑・湿疹・発疹等)、下痢、胃炎、吐き気、高血圧、歯周病、歯膿瘍等が報告されています。重大な副作用として、多形紅斑があります。

Q

相互作用は?

A

本剤は、主として肝薬物代謝酵素CYP3Aで代謝されます。

併用禁忌

・リファンピシン
CYP3A誘導作用があるため相互に血中濃度が低下し、本剤及びリファンピシンの作用が減弱するおそれがある

併用注意

作用が減弱するおそれがある薬剤
・CYP3Aの基質となる薬剤(ミダゾラム、ブロチゾラム、ニフェジピン等)
・CYP2B6の基質となる薬剤(エファビレンツ)
本剤の血中濃度が上昇するおそれがある薬剤及び食品
・CYP3Aを阻害する薬剤(リトナビル、クラリスロマイシン等)
・グレープフルーツジュース(果実自体を含む)
本剤の作用が減弱するおそれがある薬剤
・シクロスポリン
本剤及びこれらの作用が減弱するおそれがある薬剤および食品
・CPY3Aを誘導する薬剤(リファブチン、カルバマゼピン、フェノバルビタール等)
・セイヨウオトギリソウ(セント・ジョーンズ・ワート)含有食品

掲載日: 2021/05/06
※医薬品情報は掲載日時点の情報となります