服薬指導に活かす医薬品情報

スマイラフ錠

Q

何のお薬?処方目的は?

A

効能・効果は「既存治療で効果不十分な関節リウマチ(関節の構造的損傷の防止を含む)」です。
過去の治療において、メトトレキサートをはじめとする少なくとも1剤の抗リウマチ薬等による適切な治療を行っても、疾患に起因する明らかな症状が残る場合に投与します。

Q

用法・用量は?

A

通常、成人にはペフィシチニブとして150mg1日1回食後に経口投与します。なお、患者の状態に応じて100mgを1日1回投与できます。空腹時では吸収率が低下するため、食後投与に設定されています。
中等度の肝機能障害を有する患者では、副作用が強くあらわれるおそれがあるため、有効性及び安全性を十分に理解し、本剤の必要性を慎重に検討した上で、50mgを1日1回投与とします。

Q

使用上の注意点は?

A

免疫抑制作用が増強されると感染症のリスクが増加することが予想されるので、本剤とTNF阻害剤、IL-6阻害剤、T細胞選択的共刺激調節剤等の生物製剤や、他のヤヌスキナーゼ(JAK)阻害剤等の強力な免疫抑制剤(局所製剤以外)との併用はしないこととされています。
重篤な感染症や悪性腫瘍の発現が報告されていることから警告が設定されています。

Q

作用機序は?

A

ペフィシチニブは、JAKファミリーの各酵素、JAK1、JAK2、JAK3及びTYK2を阻害することで、IL-2をはじめとする各種サイトカインのシグナル伝達を阻害し、T細胞の増殖やIFN-γ、TNF-α等の関節リウマチの病因に関わる炎症性サイトカインの産生を抑制します。

Q

禁忌は?

A

重篤な感染症の患者、活動性結核の患者、重度の肝機能障害の患者、好中球数が500/mm3未満の患者、リンパ球数が500/mm3未満の患者、ヘモグロビン値が8g/dL未満の患者、過敏症の既往歴、妊婦又は妊娠の可能性のある女性には禁忌です。

Q

注意すべき副作用は?

A

主な副作用は、上咽頭炎、帯状疱疹、血中CK増加等です。重大な副作用も報告されていますので、投与中は次のような症状に注意しましょう。

疑われる副作用 自覚症状
重篤な感染症、好中球・リンパ減少 発熱、咳、喉の痛み、寒気等の症状
ヘモグロビン減少 息切れ、めまい等
消化管穿孔 激しい腹痛、腹痛持続等
肝機能障害 倦怠感、食欲不振、発熱、黄疸等
間質性肺炎 発熱、咳嗽、呼吸困難等の呼吸器症状

Q

感染症予防について

A

感染症発現のリスクを否定できないため、本剤投与中の生ワクチン接種は行わないこととされています。接種する場合は本剤投与中止後、3~6ヵ月の間隔を空けることが望ましいとしています。  
一方で、不活化ワクチンについては、呼吸器感染症予防のためにインフルエンザワクチンは可能な限り接種すべきであり、65歳以上の高齢者には肺炎球菌ワクチンの接種も積極的に考慮すべきとされています。

掲載日: 2021/09/30
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