レルミナ錠
Q |
何のお薬?処方目的は? |
A |
適応症は「子宮筋腫に基づく下記諸症状の改善:過多月経、下腹痛、腰痛、貧血」です。 本剤による治療は根治療法ではないことに留意し、手術が適応となる患者の手術までの保存療法並びに閉経前の保存療法としての適用を原則とする必要があります。 |
Q |
用法・用量は? |
A |
通常、成人には40mgを1日1回食前に経口投与します。食後投与では、空腹時に比較してCmax及びAUCが低下するためです。 妊娠していないことを確認し、必ず月経周期1〜5日目より投与を開始します。 治療期間中は非ホルモン性の避妊をします。 |
Q |
作用機序は? |
A |
GnRHアンタゴニストとして、ヒト下垂体GnRH受容体に対する選択的な拮抗作用を示し、GnRHの作用を遮断します。それにより、下垂体からの性腺刺激ホルモン(LH・FSH)分泌を阻害することで、卵巣からのエストラジオールやプロゲステロン等の性ホルモン分泌を阻害します。 臨床試験において血清中エストラジオール濃度を投与1日以内に低下させることが確認されています。 |
Q |
服用期間中の月経は? |
A |
服用中は、月経が一時的に停止することがありますが、それまでの間やその後に、月経が長い・多い、予想していない時期に出血するといった症状がみられることがあります。服用を中止すれば月経は元に戻りますが、閉経年齢に近い場合は月経が戻らずにそのまま閉経になることもあります。 臨床試験において、最終投与から月経回復までの期間の中央値は37日でした。 |
Q |
投与期間は? |
A |
エストロゲン低下作用に基づく骨塩量の低下がみられることがあるので、6ヶ月を超える投与は原則として行わないこととされています。 骨の健康維持のため、バランスの良い食事のほか、カルシウム・ビタミンD・ビタミンK・蛋白質などを積極的に摂取することも大切です。 |
Q |
注意すべき副作用は? |
A |
主な副作用は、ほてり、不正子宮出血(各42.2%)、月経過多(21.8%)、頭痛(10.2%)、多汗症(8.9%)及び性器出血(6.7%)です。重大な副作用に、うつ状態や、肝機能障害があります。 |
Q |
注意すべき患者さまは? |
A |
妊婦又は妊娠している可能性のある患者、授乳中の患者、診断のつかない異常性器出血の患者は、禁忌です。 |
Q |
相互作用は? |
A |
性ホルモン剤の投与は治療効果を減弱させる可能性があります。また、本剤はP-糖蛋白質(P-gp)の基質であるため、エリスロマイシン、リファンピシンと併用注意です。 |
Q |
類薬との違いは? |
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A |
従来より、子宮筋腫の内分泌療法においては、GnRH誘導体やGnRHアゴニスト製剤が用いられています。
GnRHアゴニスト製剤は、投与初期のGnRH受容体への持続刺激により一過性にエストラジオール分泌が亢進(フレアアップ)することがあることから、GnRH受容体に直接拮抗することでフレアアップを回避できるGnRHアンタゴニスト製剤の開発が進められてきました。
表:主な子宮筋腫治療薬一覧
子宮筋腫とは
子宮筋腫は、子宮筋層にできる良性の腫瘍で、30歳以上の女性の20~30%にみられます。できる部位によって粘膜下筋腫、筋層内筋腫、漿膜下筋腫に分類されます。過多月経、不正性器出血、月経困難症、下腹部痛、膀胱や直腸への圧迫症状(頻尿・便秘)などの症状があらわれますが、無症状で経過することもあります。治療方針は、症状の程度や挙児希望などを総合的に考慮して決定します。
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掲載日: 2022/03/03
※医薬品情報は掲載日時点の情報となります
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