レベスティブ
Q |
何のお薬?処方目的は? |
A |
効能・効果は「短腸症候群」です。腸管の順応期間を経て静脈栄養量及び補液量が安定した、或いはそれ以上低減することが困難と判断された患者に投与することとされています。 修正月齢4か月未満の患者を対象とした臨床試験は実施されておらず、投与は推奨されません。 短腸症候群
何らかの原因で消化器官である小腸を大量に切除したことや生まれつき腸が短いこと等により生命の維持や成長に必要な栄養素を吸収できなくなった状態を示します。 成人ではクローン病や絞扼性イレウス等が、小児では先天性小腸閉鎖症やヒルシュスプルング病(及び類縁疾患)等が原因となることがあります。 残された小腸では栄養素の吸収を高めるために腸管粘膜の表面積を増やすような構造的変化(絨毛伸長、上皮細胞増殖、血管新生等)を起こし、これを腸管順応と呼びます。 ただ、切除直後は必要な栄養素や水分を補助するために中心静脈栄養(TPN)が必要となります。先天的な症例では24時間、全栄養をTPNに依存するケースもあります。 |
Q |
用法・用量は? |
A |
通常、1日1回0.05mg/kgを毎日皮下注射します。ただし、中等度以上の腎機能障害(クレアチニンクリアランス50mL/min未満)患者では0.025mg/kgに設定します。体重によっては1回の投与で2バイアル使用することもあります。 |
Q |
作用機序は? |
A |
腸内分泌細胞・腸上皮下筋繊維芽細胞に存在するGLP-2受容体に作用し、インスリン様成長因子-1等を介した陰窩細胞の増殖及び腸細胞アポトーシスの阻害を通じて、絨毛高と陰窩深の増加を促進すると考えられています。これにより腸管粘膜の表面積増加につながり、小腸の栄養や水分を吸収する能力を改善する作用があります。 |
Q |
自己投与について |
A |
基本的には患者や家族に対し、医療施設において医師の直接の監督下、十分な教育が施される形で導入されます。そのため、無菌操作等の指導を薬局で行うことはまれだと考えられますが、一連の操作説明はできるようにしておきましょう。メーカー提供の【自己投与ガイドブック】がわかりやすいです。 調製後は3時間以内に使い切るよう指導します。また、TPNを行っている患者の場合、本剤は皮下注射製剤であるため、誤って混注したり側管投与したりしないよう注意が必要です。 |
Q |
投与禁忌は? |
A |
薬理作用及び非臨床試験から胃、小腸、肝胆道系および膵臓にポリープや増殖性変化が認められる可能性があるため胃腸、肝胆道系又は膵臓に悪性腫瘍を有する患者及び過去5年以内に胃腸、肝胆道系又は膵臓に悪性腫瘍の既往歴を持つ患者は投与禁忌です。 |
Q |
注意すべき副作用は? |
A |
循環器:水分貯留作用によるうっ血性心不全→特に投与開始数か月間は体液量の状態に注意。 消化器:腸閉塞・消化管ストマ閉塞、胆のう・胆道障害、消化管ポリープ・腫瘍、膵疾患 他、食欲減退や悪心・嘔吐等が挙げられます。 |
※医薬品情報は掲載日時点の情報となります