エブリスディ
Q |
何のお薬?処方目的は? |
A |
効能・効果は「脊髄性筋萎縮症」です。 「脊髄性筋萎縮症(SMA)」とは?
骨格筋の機能的運動神経支配の獲得および維持ができず、四肢、体幹および呼吸筋の高度な脱力を引き起こす遺伝性の神経筋疾患で、指定難病に定められています。 治療薬は発売当時1億円以上の薬価設定で話題となったゾルゲンスマやスピンラザ等、注射剤のみでしたが、低分子化合物である本剤の発売により内服での治療が可能となりました。 |
Q |
用法・用量は? |
A |
体重20kg未満:0.25mg/kg/日 体重20kg以上:5mg/日
いずれも1日1回食後に経口投与 ※経口による服用が困難である場合には経鼻チューブや胃瘻チューブからの投与も可能です。 |
Q |
投与禁忌は? |
A |
本剤の成分に過敏症の既往歴のある患者には禁忌ですが、併用禁忌や疾患禁忌等はありません。 |
Q |
作用機序は? |
A |
筋肉を動かすためにはSMNタンパク質と呼ばれるタンパク質が必要ですが、これはSMN1遺伝子とSMN2遺伝子により産生されています。 SMNタンパク質は一般的にSMN1遺伝子により産生されますが、SMA患者では、このSMN1遺伝子の機能損失変異が起きています。 そのため、代替的にSMN2遺伝子によりSMNタンパク質が産生されますが、約90%は不完全で機能しないSMNタンパクが産生されます。これによりSMA患者では筋肉の萎縮が発生します。 本剤はこのSMN2遺伝子の転写、翻訳過程に作用し、正常なSMNタンパク質の産生を増加させることで、運動機能を改善します。 |
Q |
調製方法は? |
A |
薬局で調整してから患者さまへ交付します。 ドライシロップは必ず精製水で希釈します。 催奇形性を有するため、手袋やマスク着用などの暴露対策を講じてください。
79mLの精製水で調製後、0.75mg/mLの溶液として総量80mLになりますが、1瓶で採取可能な服用量は76mLとして計算します。 調製日より64日以内の服用期限があるため、必ずラベルに記載します。処方単位は「瓶」なので投与日数に誤りがないかのチェックも重要です。 |
Q |
保管方法は? |
A |
調製後は凍結を避けて冷蔵庫(2~8℃)で保管します。交付時や普段の持ち運びのために、専用の保冷バッグもメーカーから用意されています。 液漏れ防止のため瓶は立てて保管します。 他の容器への移し替えも行ってはいけません。 |
Q |
服用時における注意点 |
A |
専用のディスペンサーで服用します。製品には8mLのディスペンサーが同梱されていますが、服用量に応じて1mL/3mL/6mLのディスペンサーを選択します。メーカーから取り寄せ可能です。 ミルクや母乳等への混合は不可。服用後は口腔内に残存しないよう水も飲むよう説明してください。服用後、吐き出した際には追加で服用せず、翌日の服用予定時刻に1回分の用量を服用します。 |
Q |
換算表や中外製薬HPについて |
A |
体重あたりの投与量やそれに合わせた1瓶あたりの服用可能量、使用可能日数、交付すべきディスペンサーを一挙に確認できる換算表があります。また、調製日から64日後を確認しやすいカレンダー型の資材もあります。これらは中外製薬HP上でも確認が可能です。 |
Q |
生殖毒性について |
A |
動物実験にて胚胎児毒性が認められていること、乳汁移行性、胎盤通過性が認められていることから、妊娠可能な女性は服用中及び最終服用後1か月間は避妊すること、妊婦、授乳婦であれば投与しないことが望ましいとされています。 また、男性も本剤服用中及び最終服用後4か月間は適切な避妊を行うよう指導します。 |
※医薬品情報は掲載日時点の情報となります