メチコバール錠
Q |
何のお薬?処方目的は? |
A |
適応症は上述の通り「末梢性神経障害」ですが、実に様々な診療科から処方される薬剤です。整形外科であれば神経不全等からくるしびれ、耳鼻科であれば耳鳴りやめまい、他にも眼精疲労や抗がん剤の副作用であるしびれの改善など、末梢性神経障害が原因のあらゆる症状に対して処方される薬剤です。服薬指導をする際は、まず診療科を確認し、患者さまがどのような症状を抱えているのか情報収集していきましょう。 |
Q |
作用機序は? |
A |
本剤は生体内補酵素ビタミンB12の一種です。核酸や蛋白合成を促進したり、軸索再生、髄鞘形成を促進したりして、末梢神経障害の改善に効果を示します。前述のように、対応する症状は多岐にわたりますので、患者さまの症状に合わせた説明を心がけましょう。なお、単に「ビタミン剤です」とだけ説明してしまうと「食事のバランスに気をつけていれば飲む必要ない」と薬効を軽視されてしまうこともあります。期待される薬効をしっかり説明し、服薬コンプライアンスを維持してください。 |
Q |
飲み忘れはないか? |
A |
一般的には1日3回毎食後で処方されることが多い薬剤です。水溶性ビタミンで、蓄積性はありません。重篤な副作用の報告もなく、安全性の高い薬剤だと言えるでしょう。言い換えれば、血中濃度を維持するためにはきちんと服用を続けることが重要です。飲み忘れがないか(特に昼食後)、残薬がないかの確認を行い、飲み忘れの頻度が高いようであればその理由を探り、忘れない工夫を提案していきましょう。 |
Q |
服用により効果が発現しているのか? |
A |
効能又は効果に関連する使用上の注意に、「本剤投与で効果が認められない場合、月余にわたって漫然と使用すべきでない」と記載されています。漫然投与を避けるためにも、効果発現の有無を患者情報として聞き取り、必ず薬歴に記載しましょう。確認がない場合は、適正使用のための指導が不十分だとして行政指導で指摘されることがあります。 ※患者さまが自覚できていなくても、実際には効果が出ている場合もあります。必要に応じて医師に疑義照会するなどして情報を確認しましょう。 |
Q |
注意すべき副作用は? |
A |
食欲不振、悪心・嘔吐、下痢が0.1~5%未満で報告されています。念のためこれらの症状がないか確認していきましょう。 |
Q |
保管上の注意 |
A |
本剤は糖衣錠で、糖衣相に配合された白糖(砂糖)は自然な甘みにより服用性をよくしますが、吸湿性が高い欠点があり、湿度85%以上で急激に吸湿してしまいます。特に本剤は、吸湿により赤色のメコバラミンが糖衣相に染み出ると外観がピンク色に変わります。梅雨時や夏場など、湿度が85%を超える時期(6~9月)には特に注意が必要で、密閉できる容器に乾燥剤と一緒に入れ、直射日光を避け涼しい場所に保管してもらいます。車の中に放置したりしないように指導してください。 |
※医薬品情報は掲載日時点の情報となります