ミチーガ皮下注用 60mg シリンジ
Q |
何のお薬?処方目的は? |
A |
一般名はネモリズマブで、「アトピー性皮膚炎に伴うそう痒(既存治療で効果不十分な場合に限る)」の適応を有するインターロイキン(IL)-31受容体Aに対するヒト化抗ヒトIL-31RAモノクローナル抗体製剤です。2022年5月25日に薬価収載され、2023年6月1日より在宅自己注射が適用になりました。 |
Q |
IL-31 |
A |
Th2細胞サイトカインの一種で、かゆみに特異的に作用するとされています。末梢神経に発現するIL-31受容体に作用することでJAK-STATシグナル伝達系を活性化し、ヒスタミン非依存的にかゆみを誘発するといわれています。 |
Q |
用法・用量・注意点や副作用は? |
A |
成人及び13歳以上の小児には1回60mgを4週間の間隔で皮下投与します。デュアルチャンバーシリンジと呼ばれる、凍結乾燥品と溶解用の注射用水が充填された二室式のプレフィルドシリンジ製剤で、投与時に溶解する必要があります。 IL-31を阻害することで主にかゆみが抑えられ、炎症も軽減することが示唆されていますが、皮膚症状を良好に維持するために、ミチーガ導入後も保湿外用剤や抗炎症外用剤は継続していく必要があります。 副作用として皮膚感染症や上気道炎、アトピー性皮膚炎の増悪が報告されています。アトピー性皮膚炎の増悪については、通常の症状とは異なるかゆみの少ない浮腫性の紅斑が発現する報告があり、症状が認められた場合は外用療法の強化を行います。 |
Q |
服薬指導実践編~チャレンジしてみよう! |
皮膚科を受診しているAさま(32歳 男性)が以下の処方箋をお持ちになりました。 【Rp1】ヒルドイドソフト軟膏0.3% 100g 【Rp2】アンテベート軟膏0.05% 50g 【Rp3】ルパフィン錠10mg 1錠 【Rp4】ミチーガ皮下注用60mg シリンジ 1本 Aさまは10年以上アトピー性皮膚炎の治療を続けており、半年前からミチーガを院内で導入され継続的に使用しています。今回「ミチーガを開始してからすっかり調子がよい。先生からは塗り薬を続けるよう言われているが正直、面倒なので飲み薬と注射だけにしてしまいたい。」と相談がありました。あなたならどう答えますか? |
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A |
【回答例】
ミチーガは主にかゆみを強く抑制します。かゆみが落ち着けば悪化もしにくく、実際に調子は良いようですね。ただ、ミチーガ使用中も皮膚の状態が悪化しないよう、保湿剤や外用ステロイド剤は続けていく必要があります。自己判断で中止せずに、医師と相談しながら方針を決めていきましょう。今のところ問題はなさそうですが、皮膚の感染症や風邪のような症状あれば遠慮なくご相談ください。 |
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