パキロビッドパックを処方された患者が注意すべき嗜好品として添付文書に記載されているものはどれでしょうか?

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パキロビッドパックを処方された患者が注意すべき嗜好品として添付文書に記載されているものはどれでしょうか?

    パキロビッドパックに含まれるリトナビルは、喫煙により血中濃度が低下するおそれがあるので、添付文書の併用注意にタバコが記載されています。

    喫煙はCYP1A2を誘導するため、これが影響しているかもしれませんが、機序は不明です。注意してほしいのは、喫煙者にパキロビッドが投与不可ではないことです。禁煙できないという理由で他剤への変更を疑義照会する必要はないでしょう。

    また、スウィーティーはグレープフルーツジュースと同様にCYP3A4を阻害する作用があります。添付文書には記載されていませんが、パキロビッドの血中濃度が上昇する恐れがあるので、服用中は摂取しない方がいいでしょう。

    パキロビッドは添付文書に記載されている併用禁忌や併用注意以外にも気を付けてほしい薬があります。日本医療薬学会の「パキロビッドの薬物相互作用マネジメントの手引き-第1.2版-」を参考にすると良いでしょう。

    処方監査・服薬指導のPOINT

    パキロビッドパックを処方された患者には、喫煙の有無を確認して、喫煙者だった場合、服用中の禁煙を指導します。あわせて服用中はグレープフルーツジュース等を摂取しないように指導しましょう。

    また、添付文書に記載はないが、ブロチゾラム、トルバプタン、ルパフィンなどは血中濃度が上がることで、副作用が出る恐れがあるので、患者の状態によっては減量または併用を避けるなどの注意が必要です。

    濱本 幸広(はまもと・ゆきひろ)さん
    京都薬科大学卒、薬剤師。
    調剤併設ドラッグストア、調剤薬局、派遣薬剤師など、数多くの経験をしながら処方鑑査の腕を磨く。
    2022年10月、4分類法を活用した処方鑑査の指南書『達人の処方鑑査術』を出版、好評発売中。
    ▼運営サイト
    https://kusuri-shidousen.com
    掲載日: 2024/05/31
    ※医薬品情報は掲載日時点の情報となります

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