- 公開日:2021.12.09
【薬剤師の働き方】人材派遣、紹介予定派遣、人材紹介...転職エージェントを活用した3つの就業方法とは?
薬剤師が転職エージェント経由で転職する場合、その働き方にはいくつかの選択肢があります。それぞれの特徴やメリット、デメリットは異なるので、自身に合った働き方を選びましょう。
ここでは人材派遣と紹介予定派遣、そして人材紹介の3つを取り上げて詳しく解説します。転職してどのように働きたいかといった将来像をイメージしながら、検討するうえでの参考にしてください。
人材派遣とは?
人材派遣とは、派遣会社に登録して、紹介された派遣先で勤務する働き方です。正社員などのように就業先と直接的な雇用関係はなく、あくまで雇用元は派遣会社です。
そのため、給与は派遣会社から支払われ、福利厚生なども派遣会社の制度によります。給与の金額については、あらかじめ取り決めた時給に基づく計算になるでしょう。なお、業務の指揮命令については派遣先の担当者にあるので注意が必要です。
また、人材派遣では選考が禁止されています。書類選考や面接などはありませんが、いきなり見知らぬ場所で働くことには不安が伴うため、多くの場合で担当者との事前の顔合わせの場が設けられるでしょう。
人材派遣で働くメリット
人材派遣で働くメリットには、以下のようなものがあります。
●希望条件に応じた働き方を選べる
残業なしで働きたい、あるいは特定業務のみ担当したいといった場合、労働条件として事前に取り決めておけば、基本的にそれに応じて働くことが可能です。
プライベートの時間を確保したい、あるいは家事育児などと両立させながら働きたいと考える薬剤師にとっては働きやすい環境といえるでしょう。
●勤務先での人間関係の悩みが少なくなる
勤務先によっては、現場にうまく馴染めなかったり対人トラブルが起きたりする可能性もあるでしょう。
派遣で働いていると、そうした場合に派遣元の担当者が間に立って解決に向けたサポートをしてくれます。
●決まった契約期間で働ける
派遣社員は就業期間が決められており、期間毎に両者(派遣社員と派遣先)が同意のうえで契約が更新される仕組みです。いくら派遣先が継続勤務を希望しても、派遣社員が「更新せず辞めたい」と申し出れば、その期間をもって契約は終了となります。
正社員などのように、退職希望を出したにも関わらずなかなか退職できないといったことはありません。もちろんそのあと、派遣会社から別の勤務先を紹介してもらうのも可能です。
人材派遣で働くデメリット
一方で、人材派遣で働くデメリットには以下があげられます。
●就業期間が安定しない
人材派遣は前述の通り、あらかじめ派遣期間が取り決められています。もちろん両者の合意があれば引き続き期間を更新して勤務可能ですが、必ず更新されるとは限りません。
人員削減など理由は様々ですが、ずっと働きたいと思っていても派遣先から契約終了と言われればどうしようもありません。この点は、人材派遣の大きなデメリットです。
●昇格や大きな昇給は期待できない
派遣先とは雇用関係がないため、一緒に働く正社員などと待遇が異なる点にも注意が必要です。福利厚生や給与は派遣元との取り決めになり、昇格して役職がつくこともありません。
給与は契約更新時に交渉できますが、大きな昇給はあまり期待できないでしょう。
紹介予定派遣(TTP)とは?
紹介予定派遣はTTP(Temp To Permの略)とも呼ばれ最終的には正社員や契約社員などの直雇用を想定して、一定期間、派遣社員として就業する働き方です。
派遣期間は最大6ヶ月とされており、これを上限として期間延長も可能です。なお、派遣期間中の給与については派遣会社から、期間終了後は雇用元となる就業先から支払われます。
紹介予定派遣は、直雇用を前提としているため人材派遣とは異なり選考の場が設けられます。
紹介予定派遣で働くメリット
実際に派遣として就業してみることで、店舗や社内の雰囲気など外からではわかりにくい部分を確認できます。
もちろん、派遣期間を経て「直雇用での就業は避けたい」という場合には断るのも可能です。新しい就業先を紹介してもらい、そこで改めて紹介予定派遣で働くこともできます。
見極め期間を設けて慎重に転職先を選びたいという薬剤師にとっては、メリットの大きい働き方です。
紹介予定派遣で働くデメリット
派遣期間が終了する前に、このまま直雇用での就業を望むかどうかの確認が行われます。その際、就業先から断られる可能性がある点はデメリットといえるでしょう。
紹介予定派遣における派遣期間は、企業側にとっても見極めの期間です。想定よりスキルが不足していたり、社内の雰囲気に合わなかったりという判断がされれば直雇用には至りません。
人材紹介とは?
人材紹介とは、人材紹介会社に登録し、各社の転職エージェントから提案された就業先に直雇用で就業する働き方です。業務形態は正社員、契約社員、パートなど様々で、自身の要望を転職エージェントに伝えると、希望に近い就職先を紹介してくれます。
ただし紹介予定派遣と同様、採用に至るには選考を通過する必要があります。
人材紹介のメリット
派遣期間を置かず、すぐに正社員や契約社員などの直雇用で働けます。選考を通過する必要はありますが、案件紹介から面接日程の調整、条件交渉に至るまで、人材紹介会社の担当者がサポートしてくれる点は大きなメリットです。働きながら転職先を探す場合には強い味方となるでしょう。
人材紹介のデメリット
譲れない条件や希望の働き方があるのに、なかなか転職コンサルタントに上手く伝わらない。そのため、意図した求人を紹介してもらえないということがあるでしょう。そうした状況で転職活動を進めてしまうと、納得いかない結果になってしまう可能性があります。
人材紹介会社や転職コンサルタントにもそれぞれの方針があり、あなたとの相性があります。伝えたいことが伝わらない、思ったように動いてもらえないと感じたら、早々に担当の転職コンサルタントを変えてもらいましょう。それでも不満を感じるようであれば、利用する人材紹介会社の変更も検討してみてください。
業界特化の転職エージェントを活用するメリット
派遣・紹介予定派遣・人材紹介は、いずれも転職エージェントを介して仕事を探すことになります。その際は、薬剤師業界に特化したエージェントがおすすめです。
人材派遣における業界特化型のメリット
人材派遣では、派遣期間毎に更新確認(契約期間を更新して就業を継続するかの確認)を行います。担当者との連絡時や面談では、仕事内容や条件、あるいは職場での人間関係などについて相談することも可能です。
業界特化型であれば、エージェントが薬剤師の仕事や業界の事情をよく理解しているため、より適切なアドバイスを提供してくれるでしょう。気持ちよく勤務するうえで、担当者の理解があるかどうかは大きなポイントになります。
紹介予定派遣における業界特化型のメリット
人材派遣と同様、派遣期間あるいは直雇用に切り替えるか否かの判断時には、転職エージェントが細やかなフォローをしてくれます。転職にあたって不安なこと、解決しておきたいことを相談するなら、薬剤師の仕事や業界について詳しい担当者が望ましいでしょう。
直雇用となれば、人材派遣のように一定期間で簡単に辞めることはできません。自分に合った職場を見極めるうえで、数多くの薬剤師の転職を成功させてきたエージェントの存在は、心強いものとなるはずです。
人材紹介における業界特化型のメリット
業界特化の転職エージェントであれば過去に多くの薬剤師の転職をサポートした経験があるため、求職者の意図を正しく汲み取り、より希望に近い案件を紹介してくれます。
また、求人を出す企業からの信頼にもつながるため、案件が集まりやすくなります。好条件あるいは専門性の高い求人を探している場合にも、業界特化型であることは大きなメリットになるでしょう。
自分に合った働き方をみつけましょう
人材派遣と紹介予定派遣、人材紹介について詳しく解説しました。それぞれ言葉は知っていても、その意味や違いをよく知らなかったという方は多いのではないでしょうか。いずれの働き方にもメリットとデメリットがあり、最適な働き方は人それぞれ異なります。自身がどのような働き方を望むのか整理したうえで、今回解説した内容を参考に転職について考えてみてください。
転職を決断したら、業界特化のエージェントに相談するのがおすすめです。薬剤師の仕事内容や業界に対する理解、そして薬剤師の転職サポート実績が多く、案件紹介やフォローアップに差が出ます。業界を熟知した支援によって、スムーズな転職が実現できるでしょう。
ファルマラボ編集部
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