- 公開日:2020.09.14
- 更新日:2024-09-09
薬剤師が転職で失敗する理由は?転職を成功させるために必要なこと
転職にはそれなりの時間と労力がかかります。新しい職場には誰もが期待を寄せていて、失敗なんてしたくないでしょう。しかし、残念ながら転職で失敗してしまう薬剤師は決して少なくありません。
転職に失敗してしまうのはただ運が悪いからではなく、何かしらの原因が潜んでいるもの。では、どうして転職に失敗してしまうのでしょうか? 今回は、薬剤師に多い転職の失敗例やその原因、転職を成功させるためのポイントについてご紹介します。
薬剤師が失敗しやすい転職の理由とは?
前職から心機一転。転職をしたものの、新しい職場でまた悩みを抱えてしまいまた転職を考える...。そうして転職を繰り返してしまう薬剤師も少なくありません。では、薬剤師の場合、どのような理由で転職が失敗してしまうのでしょうか。ここでは、失敗しやすい転職の理由をご紹介します。
人間関係がうまくいかなかった
薬局は小さな敷地内で固定されたメンバーによって業務を行うことが多く、人間関係の悩みが生まれやすい環境といえます。そのため、人間関係を理由に転職を考える薬剤師は多いです。しかし、環境が似ている中で同じ悩みの起きない職場を選ぶことは難しく、また入社直後は雰囲気が良くともメンバーの入れ替わりによって変わってしまうこともあります。人間関係を目的に転職すると、目的が叶わなかったと感じやすいようです。
やりたいことや理想的な仕事ができる環境がなかった
「服薬指導に力を入れたい」「もっとスキルアップがしたい」「新しい業務にチャレンジしたい」など、上昇志向を持って転職したにも関わらず、仕事内容に不満を抱えて転職を繰り返してしまう薬剤師もいます。転職先の情報が不足していたり、面接で自分の希望が伝わっていなかったり、齟齬が生じていることに気づけぬまま働きはじめてしまい「自分のやりたい内容ではなかった...」となるケースです。
好条件で収入が得られる環境ではなかった
高収入な職場は、業務量が多く残業時間が長かったり、人手が不足していてお休みが取りにくかったり、何か理由があることが多いです。環境に納得した上で高収入を選んだのであればよいのですが、雇用条件だけを見て転職を決めた場合、身体や心が追いつかず再び転職...となりやすいです。
希望通りにお休みが取れなかった
現職よりもお休みが取りやすい職場に転職したつもりが、現場の実態が伴っていなかったというケースもあります。 この失敗は、転職して日が浅い分、前職よりも希望を伝えにくくなるのがツラいところ。 なるべく避けたいものですが、面接時に聞いていた話と現場の実態にギャップがあったとの体験談も少なくありません。 面接中の確認だけでは情報収集として十分とは言えないようです。
研修・教育体制が整っていなかった
他職種から転職する場合やスキルアップをしたい場合には、研修や教育体制が充実しているかどうかは重要なポイントです。 しかし、「教育期間があると聞いていたのに転職してすぐに即戦力として現場を任された」、「求人票に書いてある研修制度は名ばかりで取得実績がなかった」ということも...。
【薬剤師の転職失敗例】事例から学ぶ転職成功の秘訣
転職で失敗してしまう原因
では、なぜこうした失敗が起きてしまうのでしょうか?転職に失敗してしまうのには、必ず何かしらの原因があります。問題を感じたらすぐに失敗の原因を見極めておかないと、そのあとも同じ失敗を繰り返すことにもなりかねません。ここでは、転職で失敗してしまう原因についてお話します。
今の職場に嫌気がさして、急いで転職先を決めてしまった
「とにかく今の職場が嫌になった!」「すぐに辞めたい」という気持ちが先行してしまっては、転職に失敗する可能性も高まります。逃げるように転職先を決めてしまうと、転職の要である情報収集も不十分になりがち。職場環境さえ変わればすべてが解決するかというとそうではなく、必ずしも次の職場が優れているという保証はありません。急ぎたい気持ちが強いときこそ、落ち着いて冷静な判断をすることが大切です。どこに問題があったのか、次の職場では何が改善されるべきか、本当に辞める判断が正しいのかなど、今一度立ち止まって考えてみましょう。
自分のやりたいことや希望が明確化されていなかった
「何となく今の職場は違う」「もっと良い条件の職場で働きたい」「友人も転職しているからそろそろ...」という理由では、自分の希望が不明確なままです。やりたいことや条件面の希望、理想とするライフスタイルなどを明確にすることで転職先候補を絞り込むことができ、結果的に満足度の高い職場を見つけやすくなるもの。ぼんやりとした不満や周りに流されて転職をしてしまうと、自分が本当に求めているものを見逃してしまいます。
求人票の大まかな条件だけを見て職場を決めてしまった
転職活動では求人票で企業の絞り込みを行うことが多いですが、求人票に載っている情報だけで判断するのは危険です。たとえば、昇給のタイミングや残業の頻度、また社員やパートのシフト状況などの詳細は、求人票だけで把握することは困難です。実際に働いてみて「こんなはずでは...」と後悔することのないよう、事前にいろいろな方法で情報を確認しておきましょう。
給与と待遇だけで職場を選んでしまった
給与や待遇は仕事選びにおいて重要であることに間違いはありません。しかし、給与と待遇が良くても働き方に無理があれば長く続けることはできないでしょう。条件が良い募集案件には、何かしらの事情が隠れている場合もあります。「仕事量が過剰」「人手不足で残業が当たり前」「離職率が高い」など、人材が集まらないために好条件・高待遇で募集している可能性も。どんなに良い条件でも「自分にとって優先すべき条件なのか」「絶対に譲れない条件を外していないか」など、慎重に見極めることが重要です。
転職で失敗しないために必要なこと
では、転職における失敗を防ぐためにはどのようなことに気をつけて転職活動をすれば良いでしょうか。次に具体的な方法をご紹介します。
自分の希望する条件や希望を明確にし、優先順位をつける
転職の希望条件を考えるときは、あれもこれもと項目を出さずに、「絶対に譲れない条件」と「優先順位」を考えることが大切です。すべての希望を満たす職場を見つけることはなかなか難しいため、優先順位をもとに自分のなかで折り合いをつけていく必要があるからです。「育児や家事と両立させたい」「週休2日は譲れない」など、自分にとって絶対に外せないポイントを絞ることで、致命的なミスマッチは防げるはずです。
給与や待遇など、求人票の情報だけで比較しない
求人票に載っているのは、職場に関する情報の「氷山のほんの一角」に過ぎません。給与や待遇など求人票から読み取れることだけでは、「仕事量」「休日の取りやすさ」「離職率」など、働きやすさにつながる実態をつかむことはなかなか見えないもの。
とくに求職者にとってマイナスとなりうる情報は載っていないことがほとんどですから、積極的に調べることが大切です。先輩や同業の友人に聞いてみたり、転職コンサルタントから情報を得たり、ネットの口コミを見たりするなど、あらゆる手段を駆使して幅広く情報を集めましょう。
事前情報だけで決めず、きちんと職場見学に行く
求人票、ネットの情報などの情報源から、ある程度の良し悪しは判断できます。しかし、「職場の雰囲気」や「人間関係」を大事にしたいならば、職場見学は欠かせません。「アットホームな職場です」「ママ薬剤師活躍中!」などと書かれていても、実際に行ってみると殺伐とした雰囲気であったり、閉鎖的な印象だったりすることもあります。仕事が多い午前中や終業前の忙しい時間帯など、時間帯も狙って見に行くと実態が掴みやすいでしょう。
情報収集をプロに頼るのも方法のひとつ
様々な失敗理由や原因がありますが、すべてに通じるのは情報不足です。自分の理想や希望を明確にしたとしても、情報が不足していたことで希望とのミスマッチが起きる可能性は大いにあります。求人票やネットを使ってある程度調べることはできますが、自分で調べられる範囲には限界があるでしょう。そこで頼りになるのが転職コンサルタントです。
転職を成功させたいなら、自分ひとりで頑張るのではなく、薬剤師の転職専門のプロに相談してみましょう。転職コンサルタントには、業界や個社に関する膨大な知識と経験があります。なかなか表に出てこないような情報を教えてくれたり、転職先の職場に確認しづらいことも代わりに聞いてくれたり、条件交渉や面談サポートもしてもらえます。信頼できる転職コンサルタントと上手にコミュニケーションができれば、ミスマッチによる転職の失敗は防げるはずです。
転職は第三者を交えることで、成功への確率が上がる
どんな転職理由でもそうですが、現職への不満が原因で転職する場合にはとくに注意して転職活動をする必要があるでしょう。転職も失敗を繰り返してしまうと、キャリアに傷がついてしまいかねません。失敗の原因は様々ですが、事前の情報収集と自分の希望を整理できていないことが大きな要因となっている場合がほとんど。
多くの選択肢のなかから、最適な職場を見つけるのは簡単なことではありません。だからこそ第三者の視点を交えることで、客観的な立場から意見をもらい気づけることがあるでしょう。ひとりで悩んで転職を決めてしまうのではなく、ぜひ転職コンサルタントに相談し転職を成功させてくださいね。
ファルマラボ編集部
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