- 公開日:2022.12.05
【薬剤師の転職失敗例】事例から学ぶ転職成功の秘訣
仕事の幅をひろげ、薬剤師としてのスキルを身につけたいと考える方にとって、転職はスキルアップの大きなチャンスです。しかし、転職前後のミスマッチにより、思い描いていたキャリアプランやワークライフバランスを実現することができず、転職を繰り返してしまう薬剤師も少なくありません。
この記事では、薬剤師の転職に多い失敗例について、実際の事例をもとに解説していきます。転職に失敗する理由やミスマッチが起きる原因、転職で失敗しないためのポイントもあわせてみていきましょう。
【事例】薬剤師の転職失敗例と原因
ここでは、実際にあった薬剤師の転職失敗事例とミスマッチが起きてしまった原因について紹介します。
※ここでの転職失敗事例とは、転職後すぐに再転職が必要となった事例を用いています
失敗例1.「転職先で人間関係のトラブルが多かった」(40代女性)
年収や残業時間などの雇用条件から転職先を決めてしまい、転職先の人間関係になじむことができず、ストレスから同じミスを繰り返してしまうようになりました。患者さまや周囲のスタッフから叱責を受けることも多く、このままでは心を病んでしまいかねないため、環境を変えるべく再転職を決意しました。
・失敗の原因
職場の人間関係に悩み、入職後すぐに再転職が必要となったケースです。年収や残業時間などの条件面は希望を満たしていたものの、実際の職場環境を確認することなく入社承諾をしてしまったことでミスマッチが発生してしまいました。
失敗例2.「時短社員が多く、残業の負荷が大きかった」(30代男性)
転職前の説明では、繁忙期に残業が発生した場合はスタッフ間で調整し、当番制で対応するということでしたが、実際には小さな子どもを持つママ薬剤師が多く、子どものいないスタッフに残業の負担が多くかかる環境にありました。転職してから間もないため断ることもできず残業が常態化したため、このままだと身体を壊してしまうと考え再転職を決めました。
・失敗の原因
事前に残業時間を確認していたにも関わらずギャップが起きてしまった今回の事例は、実際に一緒に働くスタッフの人員体制などについて確認ができていなかったために起きてしまいました。事前に店舗へ見学を行うなど、職場環境をしっかりと見ておく必要がありました。
失敗例3.「条件明示書と実働の相違が多かった」(50代女性)
急募案件ということで希望していたよりも高い年収を提示されすぐに入職を決意したものの、実際はサービス残業が毎月40時間ほどある状況でした。さらに、個別指導を直近に控えていたことも知らされていなかったため引き継ぎのないまま対応しなければならず、職場に対する不信感が募り再転職を決めました。
・失敗の原因
転職活動の際に、他社と比較することなく決めてしまった点が反省点としてあげられます。すべての条件を叶えるのは難しいことはわかっていましたが、さまざまな会社と比較検討することなく年収で決めてしまったため、今回のようなミスマッチが起きてしまいました。
失敗例4.「就職先に研修体制が整っていなかった」(新卒20代男性)
「在宅に力を入れている会社で、薬剤師として往診同行などの対応ができる環境」を求めて、新卒で希望通りの会社に入職しました。しかし、スタッフも忙しくて教えてもらえる環境が整っておらず、このままでは自分の目指す働き方が実現できないと考えて再転職を決意しました。
・失敗の原因
自分の理想とする働き方を求めて入職を決めましたが、そうした働き方をするためにまず研修制度が自分には必要であることが分かりました。理想とする働き方をするために自分に何が必要であったのかを就職活動時に洗い出す必要がありました。
失敗例5.「焦って転職し、思いのほか忙しかった」(50代男性)
在宅専門の薬剤師として転職したところ、訪問先の件数が想像していたよりも多く、店舗内のスタッフの協力も得られない環境にあったため、このままでは体調を崩してしまうと懸念し再転職を決意しました。
・失敗の原因
50代という年齢面もあり、焦って転職先を決めてしまったことが転職失敗の原因と考えます。店舗見学なども行っていましたが、サラッとしか見ておらず、事前にもっと情報収集を行っておくべきでした。
薬剤師が転職で失敗する理由は?転職を成功させるために必要なこと
失敗から学ぶ成功のポイント!
転職の失敗は、転職する前に思い描いていた職場のイメージと実際の雇用環境との間に生じるギャップがきっかけとなることがほとんどです。このようなミスマッチが起こる原因として、入社前に十分な情報収集ができておらず、実際の就業環境がわからないままに入社を承諾してしまうことがあります。
ここでは失敗例に学ぶ転職成功のポイントについて紹介していきます。
転職の目的をはっきりさせる
薬剤師の転職で失敗しないためには、まずきちんと自己分析を行い、転職する目的をはっきりさせることが重要です。目的がはっきりしたら、今度は目的を達成するためにどのような要素が必要なのかを優先順位をつけて明確化します。年収や福利厚生だけでなく、スキルアップの環境や研修体制、長期的に働ける職場であるかどうかをしっかり見定めましょう。
自分の強みがわからない薬剤師へ。みつけるためのポイントと活かせる職場を解説
できる限り店舗見学を行う
面接時に可能な限り店舗見学を行い、人数体制や門前の開局時間、薬局内の雰囲気を確認するようにしましょう。とくに近年では新型コロナウイルス感染症の影響によりオンライン面接を導入し、実際の職場を見学することなく就職を決めてしまうケースも増えています。できる限り入職前に店舗見学を行い、些細なこともしっかりと確認するスタンスが大切です。
急募案件もしっかり吟味する
相場よりも好待遇の案件には、企業にとって緊急性の高い急募案件が多く、多少のミスマッチがあっても採用に至るケースは珍しくありません。急募案件だからと焦って転職を決めてしまうのはNG。好待遇の急募案件においても、ほかの会社と同じように比較・検討してミスマッチが起こらないように事前にしっかりと情報収集を行いましょう。
薬剤師専門の転職コンサルタントを活用する
薬剤師専門の転職コンサルタントを介することで、自己分析から希望条件の優先順位、キャリアの棚卸し、そのほか履歴書や職務経歴書の作成などに至るまでをサポートしてもらえます。また、店舗の人員体制や人間関係、残業の有無などの企業側に直接確認しにくいことも転職コンサルタントが把握しているため、スムーズに情報収集が可能です。
入職前後のミスマッチをなくし、後悔のない転職を
薬剤師転職における失敗は、入職前後のミスマッチをいかに防げるかで明暗が分かれます。しかし、100%希望通りの転職は難しいため、優先順位を定めた最終的な決断が、納得のいく選択であったかどうかはとても重要です。
転職活動には思いがけない落とし穴があり、ひとりではなかなか難しいもの。必要に応じて上手に転職コンサルタントを活用し、後悔のない転職をしましょう。
ファルマラボ編集部
「業界ニュース」「薬剤師QUIZ」 「全国の薬局紹介」 「転職成功のノウハウ」「薬剤師あるあるマンガ」「管理栄養士監修レシピ」など多様な情報を発信することで、薬剤師・薬学生を応援しております。ぜひ、定期的にチェックして、情報収集にお役立てください。