- 公開日:2019.07.22
「ドラッグストア」で働く薬剤師の仕事って?やりがいや年収も徹底解析!【薬剤師のお仕事ガイド】
OTC医薬品や化粧品などを扱うドラッグストアでの仕事に、どのようなイメージを抱いていますか?「給与が高い」とイメージする方もいれば、「雑用が多い」「残業が多い」といったイメージを抱く方もいらっしゃると思います。
そんなドラッグストアの仕事、実は"社会的意義の高い仕事"であるご存知でしょうか。
この記事では、【ドラッグストアで働く薬剤師の仕事内容/やりがい/年収など】をご紹介します。ドラッグストアへの転職を考えている方もそうでない方も、ぜひご一読ください。
ドラッグストアで働く薬剤師の役割とは?
ドラッグストアでは様々な人たちが働いています。薬を販売できる登録販売者も増えましたが、薬剤師でなければ務まらない仕事はまだ多くあります。と言うのも、薬を販売するには、多くの知識と判断力が求められるのです。
たとえば、胃の痛みを訴えて来店されたお客様には、症状や併用薬を確認した上で適したお薬を販売します。また、状況によっては受診を促すなど、一人ひとりに最適な提案ができるのは薬剤師だからこそではないでしょうか。
また、セルフメディケーションの浸透により、スイッチOTCや第一類医薬品が数多く販売されるようになりました。介護用品、健康食品、サプリメントなども増えて、薬剤師が知識を活かせる機会は増え続けていると言えるでしょう。
さらに、「病院に行くまでではないけれど調子が悪い...」という方が最初に相談されるのが近くの薬局やドラッグストアです。彼らにとって、店頭で健康に関する悩みに答えてくれる薬剤師は非常にありがたい存在でしょう。
つまり、ドラッグストアで働く薬剤師は、地域の皆さまにとって頼りになる健康相談窓口のような存在と言うこと。高齢化が進むほど、その存在はより重要になると考えられます。
<ここが知りたい>ドラッグストアの印象や雰囲気は?
企業や店舗により差はありますが、多くのドラッグストアは次のような印象や雰囲気が強い傾向にあります。たとえば...
・若いアルバイトや年配のパートスタッフなど様々なスタッフが働いている。
・服薬指導以外でお客さまと接する機会が多く、地域の皆さまと距離が近い。
・薬剤師以外のスタッフもいるため開放的な雰囲気で、男性スタッフも多い。
・他店舗の薬剤師やスタッフと交流があるなど、仕事の人間関係が広くなる。
・調剤の待ち時間に店内でお買い物をしてくれるのでプレッシャーが少ない。
調剤薬局や病院は、同じ顔ぶれの薬剤師たちと限られた空間で働くことになります。一方で、ドラッグストアの場合は、様々な職種や年齢のスタッフ、そして多くのお客さまと接することができるのです。さらに、店内は音楽がかかっていることもあり、明るく開放的な雰囲気の中で仕事がしやすい職場と言えるでしょう。
気をつけたいのは、そのドラッグストアが調剤併設店かどうかと言うこと。調剤併設店の調剤室専任となれば、一般的な調剤薬局で働く薬剤師と大きくは変わりません。OTC専売のドラッグストアであれば、上記で述べたような雰囲気の中で働くことができるでしょう。事前に十分に確認することをおすすめします。
<ここが知りたい>年収は高いの?福利厚生は充実してる?
ドラッグストアで働く薬剤師の年収は、調剤薬局や病院などの業種と比べると高い水準にあります。高給与であることはドラッグストアで働くメリットのひとつです。
高年収の理由は、深夜営業および年中無休で営業しているから。残業や休日出勤を求められるケースが多いことが、理由として考えられるでしょう。ほかにも、化粧品や日用品などの取り扱いにより、診療報酬改定に影響されることが少ないから。企業の営業利益が安定していることも給与水準が高くなる理由です。
福利厚生も充実している企業が多いと言えるでしょう。ドラッグストアの運営元は大企業であることが多く、人材確保のためにも福利厚生を手厚くしている傾向にあります。
たとえば、産休育休制度が充実している職場が多くあります。ほかにも、社員割引、介護休暇、長期休暇制度、住宅手当、借り上げ社宅などが用意されていることも。退職金の積立がある職場であれば、長く働きたい人におすすめでしょう。ただし、待遇面は企業ごとに差があるため、十分に確認しておくことが大切です。
<ここが知りたい>お休みは?シフトの融通は利くの?
好待遇である一方で、お休みが取り辛いというイメージから転職を悩む方も少なくないのではないでしょうか?ドラッグストアは土日も営業しており、なかなか人材が集まらないため、お休みが取り辛いという時代があったそうです。
しかし最近は、ドラッグストアの人気が高まり人手不足が解消され、シフトの融通が利きやすい職場へと変わってきています。シフトの調整のしやすさは、個人経営や中小企業の調剤薬局とは異なり、多店舗展開のドラッグストアだからこその強みでしょう。
ほかにも、お休みやシフトに関しては、次のように働きやすい環境が整いつつあります。
・休日は平日1日+土日いずれかが多い。平日に連休が取れることもある。
・アルバイトスタッフなどが多いため、店舗内でシフトを調整しやすい。
・多店舗展開であれば他店からヘルプを呼べる上に、ラウンダーもいる。
・長期休暇制度の導入などの社内規定を整えている、手厚い企業も多い。
ドラッグストアはどういう人が向いている?
「ドラッグストアを魅力的に思うけれど、向いているかな?」と不安に感じる方も多いのではないでしょうか。転職後にミスマッチで後悔することのないように、自分に合っている職場かどうか、十分に検討することが大切です。
薬剤師であれば、知識やスキルは申し分ないですが、ドラッグストアという業態には他と異なる特徴もあります。その点を踏まえて、どんな方がドラッグストアでの仕事に向いているのか見ていきましょう。
<考え方>
・OTC医薬品の知識を深めたい
・地域医療や介護医療に貢献したい
・売り場づくりなど商売性に興味がある
・幅広い処方箋を応需し専門性を高めたい
<働き方>
・高収入や手厚い福利厚生など待遇を重視
・お客さまとのコミュニケーションが好き
・シフト制でもOKなど時間の縛りがない
・レジ打ちや品出しにも柔軟に対応できる
業務形態や福利厚生をしっかり確認しておこう
【ドラッグストアで働く薬剤師の仕事内容/やりがい/年収など】をご紹介しました。
セルフメディケーションの浸透に合わせて、ドラッグストアで働く薬剤師の存在意義は高まりつつあります。様々なスタッフが働く活気ある雰囲気、幅広い商品を扱うスキルアップが望めるため、興味があるのであれば挑戦してみると良いでしょう。
ただし、ドラッグストアとひと言で括っても、企業によっては雰囲気や待遇が大きく異なることがあります。十分に情報収集しなければ、転職後に合わないと感じて早期離職に繋がることも。しっかりと、吟味した上で転職を決めるようにしましょう。
ファルマラボ編集部
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