- 公開日:2016.06.07
調剤薬局・ドラッグストアの年収を徹底比較!
薬剤師の主な就職先に、調剤薬局・ドラッグストアがあげられます。
年収で比較するとどちらがより有利でしょう。
平均給与とメリット・デメリットを紹介します。
平均年収が高いのはドラッグストア
単純な年収比較だと、ドラッグストアが有利です。
30歳ドラッグストア薬剤師の平均年収は、490万円程度です。
一方の調剤薬局薬剤師は430万円くらいで、数字のうえでは50万円から60万円くらい差がつくと考えてください。
ただ、これはあくまで平均年収のお話です。
ドラッグストアの多くは、大手企業経営です。
一人だけ高い給与になったりボーナスに大きく差がついたりすることは少ないと言えるでしょう。 その点、小規模な調剤薬局は比較的融通が利きます。
人材不足の時は、優遇してくれることがあります。
市場平均と比較して、高い給与がもらえる可能性もあるということです。
薬剤師の転職は、条件面の交渉が重要になります。 どんな仕事をしてどの程度の年収をもらえるかを確認することで、より条件のいい職場が見つかります。
自分で交渉しにくい場合は、転職コンサルタントをはさむこともできます。
中立的な立場の人からアドバイスをもらうと安心です。
まずは調剤薬局、ドラッグストアどちらも選択肢に入れたうえで、相談をしてみましょう。
調剤薬局は勤務時間・シフトが安定する
平均年収ではドラッグストアに見劣りする調剤薬局ですが、メリットは多々あります。
まず、シフトが安定することです。
病院の前の薬局なら、土日休みがもらえます。 病院が閉まる時間にあわせて薬局の営業時間を決めることも多く、残業が少ないところが魅力です。
ワークライフバランスをとりたい人には、非常に適した職場と言えます。
また、特定の病院とのつながりが強い薬局だと顔なじみの患者さまができます。
お薬手帳を確認しながら、服用履歴を管理する仕事にやりがいを感じることもあるでしょう。
働きやすい職場でキャリアを積めば、経験に見合った給与になります。
生涯賃金で考えると、調剤薬局のほうが高くなることもありえます。
目先の条件だけで選ばないで、自分の働き方をよく考える必要があります。
なお、ドラッグストアが必ず残業あり・土日勤務と限られるわけではありません。
求人票の条件欄を見ると、働き方の予測がつきます。
労働条件と給与を総合的に判断して、就職先を決めてください。
ドラッグストアはOTC医薬品の知識がつく
ドラッグストアで働くメリットは、年収だけではありません。
家庭にある常備薬・一般用医薬品(OTC医薬品)の知識がつきます。
風邪薬ひとつとっても、たくさんの種類があります。
頭痛がひどい・熱がつらい・喉が痛いなど、お客様の症状に合わせたアドバイスをしていきます。
すでに飲んでいる薬があれば、飲み合わせも検討します。
副作用がでやすい薬は、飲み方・注意点のアドバイスをしてください。
地域に根付いたドラッグストアは、健康相談所としての役割もあります。
お客様の様子を見つつ、適切な助言をしてください。
自分が選んだ薬でお客様の体調がよくなった、楽になったと聞くと、働きがいを感じます。
これは、病院から受ける処方せんを調剤することがメイン業務の薬局にはない仕事の魅力です。
薬を買いに来た人から「ありがとう」の言葉を聞くと何とも温かい気持ちになります。
やりがいがある仕事だからこそ、長く続く人もいます。
給与面とは違う魅力も頭に入れておきましょう。
好条件案件の「一人薬剤師」に気をつける
ドラッグストア・調剤薬局ともに好条件の求人には裏があり、例えば一人薬剤師の案件には気をつけましょう。
一人薬剤師とは、調剤・事務作業・薬剤管理などを一人で全て受け持つことです。
ダブルチェックしてくれる人がいないため、あらゆることを自分で判断する必要があります。
レセプト処理や保険関係も全て一人で行います。
たくさんのことを経験できるメリットはありますが、キャリアが浅いと不安です。
全ての判断の責任がのしかかって、ストレスを感じます。
事務から接客まで全てを完璧にこなすのは、大変なことです。
ミスが許されない状況で、処理能力が問われます。
求人票に「一人薬剤師」の記載があったら、それなりの覚悟をして申し込む必要があります。
給与面だけを見て応募すると後悔する羽目になります。
一人薬剤師案件を避けたい場合は、面談で必ず確認しましょう。
担当する業務範囲の詳細を聞いたうえで決めて下さい。
まとめ〜調剤薬局・ドラッグストアの年収を徹底比較!
- 1.平均年収が高いのはドラッグストア
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30歳ドラッグストア勤務の平均年収は490万円くらい、調剤薬局は430万円くらいです。
ただ、待遇の交渉がしやすいのは調剤薬局のほうです。
知識・経験豊富な方だと、平均値より高い給与をもらえることがあります。 - 2.調剤薬局は勤務時間・シフトが安定する
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調剤薬局で働くとシフトが安定するメリットもあります。
自分にとって働きやすいと長続きします。
生涯賃金で考えた場合、調剤薬局が向いている人もいます。
長い目で働き方を考えて、有利な方を選びましょう。 - 3.ドラッグストアはOTC医薬品の知識がつく
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一方のドラッグストアは、OTC医薬品の知識がつきます。
市販薬に関するノウハウを蓄積したいなら、ドラッグストアがいいでしょう。
人の役に立っていることをダイレクトに感じるやりがいのある仕事です。 - 4.好条件案件の「一人薬剤師」に気をつける
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どちらで働くにしても「一人薬剤師」案件には気をつけましょう。
給与が良い反面、調剤以外の作業が増えるので、経験が浅い方はストレスになることもあります。
不安なら、担当業務の範囲を面接で聞く、コンサルタントに確認するなどしましょう。
ファルマラボ編集部
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