イノラス配合経腸用液
Q |
何のお薬?処方目的は? |
A |
1袋あたり187.5ml(300kcal)の半消化態栄養剤です。他剤に比べて高濃度(1.6kcal/ml)であるため、より少量で効率的に栄養素・エネルギーを補給することができます。効能・効果は「一般に、手術後患者の栄養保持に用いることができるが、特に長期にわたり、経口的食事摂取が困難な場合の経管栄養補給に使用する。」です。経口食により十分な栄養摂取が可能となった場合には、速やかに経口食にきりかえます。 |
Q |
用法・用量は? |
A |
通常、成人標準量として1日562.5~937.5mL(900~1500kcal)を経管又は経口投与します。経管投与の投与速度は50~400mL/時間とし、持続的又は1日数回に分けて投与します。経口投与は1日1回又は数回に分けて投与します。 |
Q |
組成の特徴は? |
A |
従前の経腸栄養剤は成人標準量1600kcal/日前後に配合設計されており、活動性が低く1000kcal/日前後の維持エネルギー量で長期管理されている る患者では、一部ビタミン・微量元素等の欠乏症が認められていました。 本剤は1袋300kcalの投与で1日に必要なビタミン・微量元素の約1/3を充足できます。ヨウ素・セレン・クロム・モリブデンのほか、カルニチン・コリンを配合しています。 脂肪源にはMCT(中鎖脂肪酸トリグリセリド)のほか、ω3供給源としてシソ油と魚油を配合し、ω3:ω6=1 : 3としています。水分は約75%、1袋あたり約140mLと他剤と比べて少なめです。浸透圧は670mOsm/Lと他剤に比べて高めです。 |
Q |
注意すべき副作用は? |
A |
主な副作用には下痢、軟便、便秘等が報告されています。下痢が認められた場合は、投与速度を下げる等適切な処置を行います。重大な副作用として、ショック・アナフィラキシーがあります。 |
Q |
注意すべき患者さまは? |
A |
牛乳由来の蛋白質が含まれているため、牛乳蛋白アレルギーを有する患者さまに禁忌です。大豆由来の成分は含まれていません。 その他、重症糖尿病等の糖代謝異常のある患者等、複数の禁忌項目があります。 水分の補給に注意を要する患者さま(口渇を訴えることができない、高熱、著しい脱水状態等)は、水分バランスを失いやすいため慎重に投与する必要があります。ビタミンAを含有するため、妊婦への投与は、用法・用量に注意が必要です。 |
Q |
相互作用は? |
A |
メナテトレノン(ビタミンK2)がワルファリンの作用に拮抗するため、ワルファリンの作用が減弱することがあります。 |
Q |
使用上の注意点は? |
A |
加温する場合は70℃以上を避け、未開封のまま湯煎にて行います。使用時に配合成分由来の沈殿物・浮遊物がみられることがあるため、開封直前によく振って分散させてから使用します。 可塑剤としてDEHPを含むポリ塩化ビニル製の栄養セット・フィーディングチューブ等を使用した場合、DEHPが製剤中に溶出するので、DEHPを含まないものを使用することが望ましいです。 |
Q |
保存上の注意点は? |
A |
室温保存です。開封後は微生物汚染及び直射日光を避け、できるだけ早めに使い切ります。やむを得ず保管する場合は、冷蔵庫に保管し、24時間以内に使い切ります。 |
掲載日: 2021/10/20
※医薬品情報は掲載日時点の情報となります
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