アジルバ顆粒
Q |
何のお薬?処方目的は? |
A |
効能は「高血圧症」です。2021年9月に6歳以上の小児に対する用法及び用量の追加承認を得て、既存の錠剤に加えて顆粒の製造販売が承認されました。本邦で小児への適応を有するARBとしてはカンデサルタン・バルサルタンに続き3剤目となります。なお、欧米ではオルメサルタンやロサルタンも小児に対しての投与が可能です。 |
Q |
用法・用量は? |
A |
通常、成人にはアジルサルタンとして20mgを、6歳以上の小児には体重50kg未満の場合は2.5mg、体重50kg以上の場合は5mgを1日1回投与します。適宜増減して用いますが、1日最大投与量は体重50kg未満の小児は20mg、体重50kg以上の小児と成人は40mgです。 本剤は脱炭酸された後にCYP2C19により代謝されますが、重度の肝機能障害があっても投与禁忌ではありません。なお、ARBであるテルミサルタンとロサルタンは重度の肝機能障害には投与禁忌です。 |
Q |
作用機序は? |
A |
ARBはAT1受容体に結合し、アンジオテンシンⅡの生理作用を阻害して末梢血管抵抗を低下させることで降圧効果を示します。本剤はAT1受容体への親和性が高く、長時間持続することが特徴です。 |
Q |
他のARBとの違いは? |
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A |
2022年時点では、高血圧治療ガイドライン2019をはじめとした各種ガイドラインでは特定のARBの使用を勧めるような記述はなく、薬効群としての評価に留まっていますが、本剤は他のARBに比べて高い降圧効果を示すことが特徴です。各種ARBのおおよその降圧効果を換算すると下記の表のようになります。 <ARB降圧換算量>
【適応】 すべてのARBが「高血圧症」への適応を有します。本剤とバルサルタンは「6歳以上の小児」へ投与が可能で、カンデサルタンだけが「1歳以上の小児」へ投与が可能です。 高血圧以外の適応は、カンデサルタンが「ACE阻害薬の投与が適切でない場合の軽症~中等症の慢性心不全」、ロサルタンが「蛋白尿を伴う2型糖尿病における糖尿病性腎症」の適応を有します。 【剤形】普通錠に加えOD錠の剤形を有するARBは複数ありますが、本剤はARB中唯一、顆粒の剤形を有します。顆粒は小児だけでなく、嚥下困難に対する有力な選択肢の1つとなります。 【食事の影響】本剤は食事の影響を殆ど受けないと考えられています。降圧効果や安全性に影響はありませんが、バルサルタンやロサルタンは空腹時投与に比べると食後投与の方が血中濃度やAUCが低下する傾向にあり、テルミサルタンは空腹時投与に比べると食後投与の方が血中濃度が下がると考えられているため、食後に服用している患者には毎日食後に服用するよう注意を与えることとされています。 【薬価】2022年時点ではARB中本剤だけが後発品が発売されておらず、金銭負担に差が生じます。アジルバ錠20mgの薬価140.2円に対し、降圧量換算で同等とされるバルサルタン錠160mgの薬価は26.3円です。なお、合剤であるザクラス配合錠LD(アジルサルタン20mg+アムロジピン2.5mg)の薬価は102.7円と、単剤より配合剤の方が何故か薬価が安いという逆転現象が起きています。 なお、アジルバ顆粒1%の薬価は73.3円、アジルバ錠10mgの薬価は93.8円のため、通常の小児用量では顆粒の方が価格を抑えられます。 |
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