ツイミーグ錠
Q |
何のお薬?処方目的は? |
A |
適応症は「2型糖尿病」です。インスリン分泌能とインスリン抵抗性の両方を改善する作用があるため2型糖尿病の発症の成因がインスリン分泌能低下、インスリン抵抗性亢進のいずれに対しても血糖降下作用が期待できる新しい機序の薬です。 あらかじめ糖尿病の基本である食事療法、運動療法を十分に行った上で効果が不十分な場合に限り使用します。 |
Q |
用法・用量は? |
A |
通常、成人には1回1000mg(2錠)を1日2回朝、夕に経口投与します。 |
Q |
メトホルミンとの違いは? |
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A |
本剤に特徴的な膵作用は下記作用によるグルコース濃度依存的なインスリン分泌促進です。 ・NAD+生成に関与するNAMPT遺伝子発現増加 ・ミトコンドリア呼吸鎖複合体Ⅲへの作用 この作用はメトホルミンの構造式とは類似しているものの、薬理作用として異なる部分です。 表:作用機序
※1 膵β細胞内Ca2+増加及びβ細胞保護による 両剤に共通する膵外作用にはミトコンドリア呼吸鎖複合体Ⅰの活性阻害等による肝臓での糖新生抑制及び骨格筋での糖取込み能改善があります。 メトホルミンとは作用が一部重複するため併用時の安全性には注意が必要です。 |
Q |
禁忌は? |
A |
重症ケトーシス、糖尿病性昏睡又は前昏睡、1型糖尿病の患者は輸液やインスリンによる速やかな高血糖の是正が必要であるため禁忌です。また、重症感染症、手術前後、重篤な外傷のある患者はインスリン注射による血糖管理が望まれる(本剤の投与は適さない)ため、禁忌となっています。 |
Q |
基本的な注意事項は? |
A |
重要な基本的注意、特定の背景を有する患者に関する注意があります(添付文書一部抜粋、改変)。 【腎機能障害患者】 ・本剤の排泄遅延による血中濃度上昇リスクがあるため、腎機能の定期的な検査実施が望ましい。 ・eGFRが45mL/min/1.73m2未満(透析患者を含む)の場合、臨床試験は実施されておらず、血中濃度が著しく上昇するおそれがある為、投与は推奨されない。 【肝機能障害患者】 ・本剤の血中濃度上昇のおそれあり。 【妊婦、妊娠している可能性のある女性】 ・本剤を投与せずインスリン製剤を投与すること。 |
Q |
副作用は? |
A |
重大な副作用として低血糖(6.7%)が報告されています。特にインスリン製剤、SU剤又はインスリン分泌促進薬を併用した際に低血糖の発現割合が高い傾向にあるため注意が必要です。 他の糖尿病用薬においても治療効果を期待して併用されることがあるため、低血糖症状に対する適切な対応についてあらかじめ指導を行う必要があります。 悪心、下痢、便秘(1~5%未満)の消化器症状については、ビグアナイド系薬剤との併用の際、特に併用初期に多く発現する傾向があるため注意が必要です(TIMES2試験)。本剤やメトホルミンは胃腸障害の発現に関与するとされているトランスポーター(OCT1等)への関与も認められています。 ミトコンドリアの機能障害と2型糖尿病 ミトコンドリアの機能障害によるATP産生低下、ミトコンドリア由来活性酸素種(mtROS)産生増加、アポトーシス促進によるβ細胞数減少はインスリン分泌低下につながるとされています。また、骨格筋や肝臓におけるmtROS産生増加はインスリン抵抗性発症に関与し、異所性脂質蓄積や運動耐容能低下との関連も報告されており、これらは糖尿病発症に関与しています ミトコンドリアは肥満や加齢、酸化ストレスにより機能低下するため食事療法や運動療法は有効と考えられています。 |
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