ウラリット配合錠
Q |
何のお薬?処方目的は? |
A |
適応症は「痛風並びに高尿酸血症における酸性尿の改善」と「アシドーシスの改善」です。 高尿酸血症になると尿は酸性に傾き、酸性になると尿酸の溶解度が低下するため、尿をアルカリ化するために処方されます。理想的なpHである6.2~6.8になるように投与量を調節します。 また、「アシドーシスの改善」に用いられる場合は、「酸性尿の改善」に用いられる際の2倍量が常用量となります。 |
Q |
作用機序は? |
A |
本剤の成分であるクエン酸塩は生体常在物質であり、細胞内に存在するTCA回路などで通常の代謝を受け、代謝産物として重炭酸塩を産生すると考えられています。その重炭酸イオン(HCO3-)は、マイナスにチャージしているため塩基として機能するイメージはつきにくいかも知れませんが、生体において水素イオンを消去し、結果として酸性化を抑制する緩衝塩基として作用することにより薬効を発揮するとされています。 |
Q |
併用に注意が必要な薬剤は? |
A |
他のクエン酸製剤で、水酸化アルミニウムゲルとの併用により含有しているクエン酸がアルミニウムとキレート化合物を形成し、アルミニウムの吸収を促進させる可能性が報告されています。これは物理的な相互作用であるため、併用する場合には2時間以上投与間隔を空けるよう指導しましょう。また、本剤はカリウムを多く含むため、ACE阻害剤やARB、タクロリムス、スピロノラクトン、エプレレノン等、相対的に血清カリウム値を上昇させる薬剤との併用は高カリウム血症に注意が必要です。 |
Q |
同種同効薬との比較 |
A |
ウラリット-U配合散1日3gの尿アルカリ化効果は、炭酸水素ナトリウムの1日6gにほぼ匹敵するとの成績が得られており、安全性、服用感、有用性においてはウラリット-U配合散の方が有意に優れていたと報告されています。 また、ナトリウム負荷が少ないのも処方頻度が高い理由のひとつですが、逆にカリウムを多く含むので腎機能が低下している症例には注意が必要です。 |
Q |
飲みづらい場合の対応 |
A |
本剤は塩味で、水に溶かすとスポーツドリンクのような味ですが、それでも飲みづらい場合は、スポーツドリンクやジュースに溶かして服用すると飲みやすくなります。 なお、牛乳や乳酸菌飲料に溶かした場合は、含まれるタンパク質(カゼイン)が凝集し沈殿物ができてしまい、炭酸飲料に溶かすと発泡してしまいますので、これらに溶かすのは避けるよう指導しましょう。 ※カゼインは、電荷を持ったミセルとして牛乳中に存在しますが、クエン酸(酸)を加えることで液性が酸性になると、電荷を持たないミセルとなって凝集し沈殿が出来ます。 |
Q |
その他の注意 |
A |
尿路結石の約80%がシュウ酸カルシウムを主成分とするもので、次いでリン酸カルシウム、尿酸と続きます。カルシウム塩は、アルカリ側で溶解度が低下することが知られているため、結石防止のためにも尿pHは過度にアルカリ化しないように注意が必要です。 |
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