プラビックス錠
Q |
何のお薬?処方目的は? |
A |
「血液をサラサラにする薬」です。血小板機能を抑えて血液を固まりにくくし、血栓を予防します。 |
Q |
作用機序は? |
A |
プロドラッグで、肝臓で代謝され活性代謝物となり、血小板膜上のADP受容体(P2Y12)に選択的かつ不可逆的に結合することで血小板の活性化に基づく血小板凝集を抑制します。 |
Q |
服用中の注意事項 |
A |
体調がよくなったと自己判断し使用を中止したり減量したりすると、病気が再発したり、悪化したりすることがあります。脳梗塞や心筋梗塞の再発、ステント血栓症や静脈血栓症を防ぐためにも、毎日忘れずに服用する必要があります。飲み忘れたら、気づいたときに1回分服用します(次の服用時間が近い場合は、1回分飛ばします)。 |
Q |
出血性の副作用は出ていないか? |
A |
重篤な副作用として頭蓋内や消化管からの出血があります。早期発見のため、歯ぐき出血、鼻血、血痰、皮下出血、便が黒くなるなどの他、頭痛、めまい、うまく話せないなどの初期症状がないか確認するとともに、ひげは電気シェーバーで剃る、やわらかめの歯ブラシを使うなど指導しましょう。 |
Q |
PPIとの相互作用について |
A |
クロピドグレルは、2-オキソ体を経て2段階で代謝され活性代謝物となりますが、CYP2C19はそのいずれにも関与しています。PCI後はアスピリンだけでなく、消化管出血のリスクを減らすためPPIと併用されることが多いですが、多くのPPIはCYP2C19を阻害するため、併用により本剤の活性代謝物の作用を減弱させ心血管イベントを増加させる可能性があります。このため、2009年11月にはFDAからクロピドグレルとPPIの併用は避けるべきという注意勧告がなされ、本邦でも2010年4月に添付文書に併用注意が記載されました。しかしながら、両薬剤の併用の是非に関しては、消化器・循環器いずれの専門医の間でも未だに議論が進行中です。 |
Q |
同種同効薬との比較 |
A |
同じチエノピリジン骨格をもつ抗血小板薬のチクロピジンと比較して、有効性は同等であり、副作用発現率は有意に低かったと報告されています。 |
Q |
用法・用量に関する使用上の注意 |
A |
虚血性脳血管障害(心原性脳塞栓症を除く)後の再発抑制の適応では、特に出血傾向、その素因のある患者等については、50mg1日1回から投与すること、PCIが適用される虚血性心疾患の適応では、アスピリン(81~100mg/日)と併用すること及びPCI施行前にクロピドグレル75mgを少なくとも4日間投与されている場合、ローディングドーズ投与(投与開始日に300mgを投与すること)は必須ではないことが注意事項とされています。 経皮的冠動脈形成術(PCI)について PCI(Percutaneous Coronary Intervention)とは、外科的に開胸手術を行うことなく、カテーテルを用いて内科的に治療を行う方法です。治療の対象となるのは(例外あり)、基本的に薬物治療では十分な症状の改善が得られない狭心症や、不安定狭心症、心筋梗塞などの早急な治療を必要とする患者さまで、その方法には、次の2種類あります。 ①バルーン形成術:先端にバルーンが付いたカテーテルを足の付け根や腕の動脈から挿入し、先に挿入してあるガイドワイヤー伝いに冠動脈狭窄部まで導いて冠動脈狭窄部に到達させた後、拡張して血管を押し広げる方法です。この時点で十分な拡張がされていれば治療は終了しますが、不十分な場合はステント留置術へ移行する場合もあります。 ②ステント留置術:バルーン形成術と同様の方法で行われます。バルーンカテーテルの上に設置されているステントは小さな網目状の金属の筒で、バルーンを拡張することで同時に拡張され、バルーンを引き戻した後もステントは冠動脈狭窄部に拡張した状態で残ります。バルーン形成術と異なり機械的に血管の拡張を保たせるため、慢性期における再狭窄や再閉塞の発生率 はバルーン形成術より低いと言われています。 |
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