マンジャロ皮下注アテオス
Q |
何のお薬?処方目的は |
A |
一般名はチルゼパチドで、適応症は「2型糖尿病」。基本となる食事療法、運動療法を行ったうえで効果不十分な場合に使用します。2.5mg~15mgまで6規格あります。持続性のグルコース依存性インスリン分泌刺激ポリペプチド(GIP)受容体及びグルカゴン様ペプチド-1(GLP-1)受容体の作動薬で、グルコース濃度依存的にインスリン分泌を促進させ、空腹時及び食後のグルコース濃度を低下させます。本剤はGIPとGLP-1の2つの受容体に作用する初めての薬剤で、HbA1c低下と体重減少の効果が高いとされます。 |
Q |
GIPとGLP-1 |
A |
血糖調節ホルモンであるインクレチンは、小腸上部から分泌されるGLP-1と小腸下部から分泌されるGIPの2種類あります。いずれも膵臓でインスリン分泌を促進しますが、GIPには脂肪分解促進作用、GLP-1には胃内容物排出抑制作用や、中枢神経系での食欲抑制作用等があり、同時刺激により相乗効果が得られます。なお、GLP-1受容体作動薬はインスリンの代替薬ではありませんので、患者のインスリン依存状態に注意が必要です。 |
Q |
用法・用量は? |
A |
1回使いきりのオートインジェクター型注入器により週1回、腹部、大腿部又は上腕部に皮下注射します。通常、1回2.5mgから開始し、4週間投与後に維持用量である1回5mgに増量します。効果不十分な場合、4週間以上の間隔をあけて2.5mgずつ増量し、最大投与量は15mgです。投与を忘れた際は、次回投与まで3日(72hr)以上あれば、気づいた時点で投与できます。 |
Q |
主な副作用は? |
A |
胃腸障害(悪心、嘔吐、下痢、便秘、腹痛等)が起こることがあります(5%以上)。本剤の胃内容物排出抑制作用によることが多いですが、嘔吐を伴う持続的な激しい腹痛等の場合、急性膵炎の可能性もあるため、投与を中止して受診を促します。 |
Q |
服薬指導実践編~チャレンジしてみよう! |
糖尿病内科を受診しているAさま(58歳 男性)が以下の処方箋をお持ちになりました。 【Rp1】ジャディアンス錠10mg 1錠 1日1回朝食後 14日分 【Rp2】マンジャロ皮下注2.5mgアテオス 2キット 週1回木曜日 朝食前 1回1キット ※【Rp2】は、オゼンピック皮下注2mg(週1回0.5mg、木曜日)から切り替え Aさまは2年前から糖尿病の治療を続けています。Aさまから、「体重がなかなか減らないし血糖値もまだ高いから、注射を新しいものに変えると先生に聞いています。同じように週1回と聞いているけれど、今までのオゼンピック皮下注と何が違うの?」と質問がありました。あなたならどう答えますか? |
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A |
【回答例】
マンジャロは血糖値が高い時にインスリンの分泌を促す効果のある薬で、オゼンピックよりも作用するところが多いため、HbA1cを下げたり、体重を減らす効果が高いです。同じように週1回の使用ですが、オゼンピックと異なり1回使いきりで、注射針をセットする必要はありません。使用前まで冷蔵庫で保管します。副作用はあまり変わらず、むかつきや吐き気、便秘等起こることがありますが、軽いものであればさほど心配ないでしょう。激しい腹痛が続くような時はすぐ受診してください。もし使用を忘れた場合、オゼンピックは火曜日までの気づいた時点で注射できましたが、マンジャロは期間が短くなり、使用できるのは月曜日の朝までです。以降は注射せず次回木曜の注射予定日まで待つようにしてください。 |
※医薬品情報は掲載日時点の情報となります