胆石のある患者に禁忌と添付文書に記載されている薬はどれでしょうか?

Q

胆石のある患者に禁忌と添付文書に記載されている薬はどれでしょうか?

    フィブラート系薬では、胆汁中へのコレステロール排泄促進により、胆石形成がみられることがあります。フェノフィブラートの禁忌欄には「胆のう疾患のある患者」と記載されているので、胆石のある患者には禁忌です。パルモディア(ペマフィブラート)でも、胆石の副作用が報告されたことを踏まえて、胆石のある患者には禁忌と添付文書に記載されています。一方で、べザフィブラートには胆のう疾患に関連する禁忌の記載はありません。まとめると次のようになります。

    ▼フィブラート系各薬剤の胆石関連の記載事項
    クロフィブラート:胆石又はその既往歴のある患者は禁忌
    フェノフィブラート:胆のう疾患のある患者は禁忌
    べザフィブラート:禁忌欄には記載なし
    ペマフィブラート:胆石のある患者は禁忌

    参考として、胆石症の薬物治療では、胆石の発作時における症状緩和として、ブチルスコポラミン・コスパノン・NSAIDsが使われます。また。発作予防としてウルソデオキシコール酸が使われることがありますが、胆石があっても無症状の場合、薬物治療をしないこともあります。そのため併用薬や薬物治療歴から患者に胆石があるかないか判別するのは容易ではありません。現実的には、患者に胆石の有無を確認するしかないでしょう。

    処方監査・服薬指導のPOINT

    パルモディア等の胆石のある患者に禁忌の薬が処方された場合、患者に胆石があるかどうか確認する必要があります。胆石があっても薬物治療をしていない患者もいるので注意してください。胆石があれば疑義照会をする必要がありますが、すでに胆のうを摘出している場合、疑義照会をする必要はないと考えます。

    濱本 幸広(はまもと・ゆきひろ)さん
    京都薬科大学卒、薬剤師。
    調剤併設ドラッグストア、調剤薬局、派遣薬剤師など、数多くの経験をしながら処方鑑査の腕を磨く。
    2022年10月、4分類法を活用した処方鑑査の指南書『達人の処方鑑査術』を出版、好評発売中。
    ▼運営サイト
    https://kusuri-shidousen.com
    掲載日: 2024/06/28
    ※医薬品情報は掲載日時点の情報となります

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