エイベリス点眼液の添付文書の禁忌欄には、「無水晶体眼又は眼内レンズ挿入眼の患者」と記載されています。進行した白内障では、手術で混濁した水晶体を取り除いて、眼内レンズを挿入する手術が一般的に行われています。 このような眼内レンズ挿入眼の患者にエイベリス点眼液を使用した場合、黄斑部にむくみを起こして視力が低下する黄斑浮腫が臨床試験で起こったため禁忌となりました。 直近の手術歴であれば、マイナンバーカードと連携した薬剤等情報でも確認できます。手術歴に、水晶体再建術(眼内レンズを挿入する場合)があった場合、患者にエイベリス点眼液が処方されていなくても薬歴に記録しておくといいでしょう。いずれその情報が役立つときが来るかもしれません。 もう1つの注意点として、エイベリス点眼液の併用禁忌にタフルプロスト点眼液があります。エイベリス点眼液の適正使用ガイドによると、これらの禁忌の対象は、眼単位ではなく患者単位とされています。 例として、左眼だけ眼内レンズを挿入している患者の右眼にエイベリス点眼液を投与することは禁忌扱いとなります。 同様に、左眼にタフルプロスト点眼液またはタプコム点眼液を投与して、右眼にエイベリス点眼液を投与するといった使い方も禁忌扱いとなります。 処方監査・服薬指導のPOINTエイベリス点眼液が処方された場合、白内障の手術歴がないか確認しましょう。 白内障の手術はほとんどの症例において眼内レンズを挿入しているので、エリベリス点眼液は禁忌となる恐れがあります。
また、(1)片眼だけ眼内レンズを挿入している患者のもう片方の眼にエイベリス点眼液が処方された場合、(2)片眼にタフルプロスト点眼液が処方された患者のもう片方の眼にエイベリス点眼液が処方された場合、いずれも禁忌扱いとなるので、疑義照会をする必要があります。 |
Q |
白内障の手術歴がある患者に禁忌となる恐れがある薬はどれでしょうか? |
掲載日: 2024/07/05
※医薬品情報は掲載日時点の情報となります
※医薬品情報は掲載日時点の情報となります