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  • 公開日:2022.05.24

薬剤師以外にも活躍が!薬学部卒業後の進路

薬剤師以外にも活躍が!薬学部卒業後の進路

薬学部の就職先は薬局や病院などの医療機関だけだと考える方も多いのではないでしょうか。しかし、薬学生の就職先は多岐にわたり、医療機関以外にも様々な働き方があるのです。 「薬剤師」の資格を持っていることで、違った業界への選択肢があることは薬学生のメリット。6年間で学んだことは様々な場で活かされていくのです。

今回は、薬剤師以外でも活躍している薬学部卒業後の進路についてご紹介していきます。 医療機関以外の働き方に興味のある方は、ぜひ参考にしてくださいね。

薬学部の就職先は幅広い

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「就職先=調剤薬局・病院」といったイメージが強い薬学部ですが、実際は幅広い分野で活躍しています。薬学部卒の能力を活かせる就職先は医療機関だけではないのです。

下記の表は、一般社団法人薬学教育協議会が発表した「6年制学科卒業生就職状況」(令和3年3月)です。

【令和3年3月 6年制学科卒業生就職状況】

分類 細分類
人数(人) 割合(%) 人数(人) 割合(%) 人数(人) 割合(%)
保険薬局 保険薬局 1060 29.0 2012 32.3 3072 31.1
ドラッグストアの調剤部門 764 20.9 1153 18.5 1917 19.4
医薬品販売業 一般販売業
ドラッグストア等
32 0.9 40 0.6 72 0.7
卸売販売業
ドラッグストア等
15 0.4 22 0.4 37 0.4
病院・診療所 【薬剤部(薬剤科)】国立大学法人附属病院
独立行政法人病院
98 2.7 219 3.5 317 3.2
【薬剤部(薬剤科)】公立大学法人附属病院
自治体病院・自治体診療所
83 2.3 197 3.2 280 2.8
【薬剤部(薬剤科)】私立大学病院附属病院
一般病院・一般診療所
346 9.5 880 14.1 1226 12.4
【臨床・検査】
私立大学病院附属病院
一般病院・一般診療所
1 0.0 0 0.0 0 0.0
その他 2 0.1 3 0.0 5 0.1
試験・研究機関 研究・開発・学術 3 0.1 13 0.2 16 0.2
その他 0 0.0 1 0.0 1 0.0
大学 国立大学法人 1 0.0 2 0.0 3 0.0
私立大学法人 0 0.0 2 0.0 2 0.0
行政 【衛生行政】
国家公務員
15 0.4 26 0.4 41 0.4
【衛生行政】
地方公務員
74 2.0 114 1.8 188 1.9
その他 5 0.1 8 0.1 13 0.1
企業 【医薬品関連企業】
開発・学術
66 1.8 135 2.2 201 2.0
【医薬品関連企業】
医薬品情報担当者
126 3.5 93 1.5 219 2.2
【医薬品関連企業】
研究・試験・製造
68 1.9 90 1.4 158 1.6
【医薬品関連企業】
その他の職種
21 0.6 48 0.8 69 0.7
【化学系企業】
開発・学術
3 0.1 2 0.0 5 0.1
【化学系企業】
営業
1 0.0 5 0.1 6 0.1
【化学系企業】
研究・試験・製造
6 0.2 11 0.2 17 0.2
【化学系企業】
その他の職種
5 0.1 8 0.1 13 0.1
その他 18 0.5 32 0.5 50 0.5
研究生 【有給】大学・
付置研究所
11 0.3 37 0.6 48 0.5
【有給】公的研究機関 1 0.0 4 0.1 5 0.1
【有給】病院 10 0.3 34 0.5 44 0.4
【無給】大学・
付置研究所
4 0.1 3 0.0 7 0.1
【無給】病院 0 0.0 2 0.0 2 0.0
その他の職業 71 1.9 70 1.1 141 1.4
進学 101 2.8 37 0.6 138 1.4
就職せず 107 2.9 119 1.9 226 2.3
未定(未報告を含む) 533 14.6 806 12.9 1339 13.6
3651 100 6228 100 9879 100
参考資料:薬学教育協議会「就職動向調査結果報告書」

この報告によると、薬学生の進路は、保険薬局、病院・診療所の他にも医薬品販売業、試験・研究機関、企業や行政など多岐ににわたっており、卒業後は、様々な場において知識や資格を活かした働き方をしているということがわかります。

薬学部の代表的な就職先

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CBT試験が終わり、実務実習が始まる頃から薬学生の皆さんは就職活動を意識し始めます。薬学部のおもな就職先としてどのような職業があるのでしょうか。ここでは卒業後の代表的な就職先をみていきましょう。

調剤薬局

薬学生の約半数以上が就職先として選んでいるのが保険薬局や、ドラッグストアに隣接している調剤薬局での仕事です。

処方箋に記載された医薬品を調合する調合業務、患者さまに薬を受け渡す際に効能や服用方法について説明する服薬指導、患者さまの現在の服用状況や処方された医薬品情報の入力などを行う薬歴管理などがおもな業務です。

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病院・医療施設

臨床の第一線である病院は、薬剤師としてのスキルを存分に発揮できる就職先です。

おもに大学病院や市民病院などの薬剤部や薬剤科に所属し、医師や看護師などと一緒にチーム医療に加わります。一般的に調剤薬局で取り扱っている内服薬や外用薬に加えて、集中治療室で用いる各種薬剤の準備や注無菌製剤の取り扱いなど、大学で学習した知識だけではなく臨床で体得していくことが多い業務です。

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ドラッグストア

調剤薬局や病院と比較して開放的な雰囲気のドラッグストアは、アルバイトや美容販売員、登録販売者など、様々なスタッフが働いており、たくさんのお客様とも接するためコミュニケーション力が求められる職場です。

OTC薬品のアドバイス、お客さまからの健康相談、商品の陳列やレジ打ちなど業務の内容も幅広く店舗によってはPOPの作成や宣伝などを行うこともあります。

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製薬会社(MR・研究職・開発職・CRA・コールセンターなど)

医薬品の情報提供とセールスを行うMR、新薬を開発する研究職、臨床試験を行うCRA、そのほか問い合わせに対する返答を行うコールセンター勤務など、製薬会社では様々な職種の薬剤師が活躍しています。 国内の企業だけではなく外資系の企業も多いため、休暇制度や福利厚生が充実している点がメリットのひとつ。自分に合った働き方を探している薬学生に人気があるようです。

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意外と知られていない就職先

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ここまで、薬学生の就職先として代表的なものをご紹介してきました。この章では薬学生の就職先として意外と知られていない職種をいくつかご紹介いたします。ぜひ、これからの就職活動の参考にしましょう。

公務員薬剤師

公務員薬剤師の業務は特殊なものが多く、薬局や病院で働く薬剤師とは異なるキャリアを積むことになります。臨床の場で働くことは少なく、行政を中心とした仕事に就く場合はデスクワークが中心となります。特徴として挙げられるのは、安定性の高さ。民間企業のように倒産する心配がないので安心して働き続けることができるでしょう。

公務員薬剤師には「国家公務員薬剤師」と「地方公務員薬剤師」の二つがあり、以下のような内容の業務を行います。

【国家公務員薬剤師】
●所属:厚生労働省をはじめとする中央官庁など
<業務内容>
「薬価の算定や診療報酬・調剤報酬の改定」「医薬品メーカーなどに対する医薬品の製造管理や品質管理の監視指導」「薬剤師国家試験の在り方の見直しや資格取得後の研修制度の検討」など

【地方公務員薬剤師】
●所属:保健所
<業務内容>
「地域の保健管理・衛生管理」「地域の施設に対する新規開設許可」「立ち入り検査」「食品に含まれる添加物などの規格基準検査」「放射性物質等の検査など化学検査全般を行う試験検査業務」「インフルエンザやその他の感染症に備えた健康危機管理」「医療供給体制整備」「創薬研究」「治験」「住民の健康相談」など

●所属:地方自治体が運営する公立病院
<業務内容>
「外来調剤」「病棟業務」「医薬品の管理業務」など

●所属:衛生研究所
<業務内容>
「細菌の検査・研究業務」「食品や医薬品などの安全確保」「食中毒や感染症の予防」など
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麻薬取締官

麻薬取締官は、厚生労働省地方厚生局麻薬取締部に所属する国家公務員です。「違法麻薬や覚せい剤などに関する情報の収集」「流通経路の捜査」「薬物使用者の逮捕」「押収された薬物の鑑定」「薬物依存者の更生支援」など、薬物が乱用されないために活動することを任務としています。また、麻薬取締官になるには、薬剤師国家試験のほかに、厚生労働省の地方厚生局麻薬取締部が実施する採用試験に合格しなくてはなりません

学校薬剤師

学校薬剤師は、学校保健に携わり子どもたちの快適な教育環境を守ることがおもな役割です。業務内容は「学校内での薬品類の使用や管理」そのほかにも「健康相談や保健指導」「学校環境衛生(採光、照明、換気など)の維持管理」など多岐にわたります。また、子どもたちと接することが多いため、教育現場にふさわしい人格であることも大切な条件となるでしょう。

薬剤師以外の職種

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最近では、薬剤師としての幅広い知識を活かし、一般企業や異なる職種へ就職する学生も増えてきています。ここでは、最近注目されてきている薬剤師以外の職種について具体的に解説していきます。

化粧品・食品メーカ―などの一般企業

化粧品メーカーや食品メーカーなどは、薬剤師が専門性を発揮して活躍できる職場のひとつ。最近は医薬品の豊富な知識や資格を活かし企業で働く薬剤師も多く、開発・研究部門や管理部門など幅広い分野で活躍しています。 メーカーによっては、薬剤師の資格以外に「調理」「メイク」「色彩」などのスキルを求められる場合もあり、知識だけではなく柔軟な発想力が必要となるケースも多いでしょう。

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オンライン薬局

新型コロナウイルス感染症の影響もあり、社会のあらゆるプロセスがオンライン化しつつあります。薬局での服薬指導もそのひとつ。ITを活用した連携体制により遠隔での業務を可能とし、薬剤師の在宅勤務化を進める企業も増え始めています。そのような流れから、オンラインを活用し、患者さまに服薬指導を行うといった新しい働き方を選択する薬剤師も増えているようです。最近では、チャットツールを使用し健康相談や体質診断などを行っているオンライン薬局もあり、気軽に利用できるスタイルに人気が高まっているようです。

メディカルコピーライター

メディカルコピーライターとは、制作会社や広告代理店などで医薬品や医療機器の販売促進のための広告や 文章などに携わる仕事です。また、広告のほかにも製薬会社で使用する文言の提案や新薬のインタビューフォームの作成をするなど、それ以外の業務を一任されるケースも。メディカルコピーライターになるには、専門知識はもちろん、文章力や発想力も求められます。今までに学んだ医薬品についての知識や、自分のアイディアが形になるのはこの職種の最大の魅力ですね。自分の文章力や発想力を活かしたいと考えている方は詳しく調べてみるとよいでしょう。

まとめ

今回は、薬剤師以外の薬学部の進路について詳しく解説いたしました。

6年間で多くのことを学ぶ薬学生は、その専門的な知識を活かして多方面での活躍が期待できます。国家資格を有することで多くの選択肢があることは薬学生の強みになります。ぜひ、6年間で自分が何を目指しているのか、どんな働き方をしたいのか、しっかりとした方向性のもと自分の進路について考えていきましょう。

ファルマラボ編集部

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記事掲載日: 2022/05/24