タリージェ錠
Q |
何のお薬?処方目的は? |
A |
「末梢性神経障害性疼痛」を適応症とします。 |
Q |
用法・用量は? |
A |
通常、成人には初期用量1回5mgを1日2回経口投与し、その後1回用量として5mgずつ1週間以上の間隔をあけて漸増し、1回15mgを1日2回経口投与します。年齢、症状により1回10mgから15mgの範囲で適宜増減します。食事の影響は限定的なため、食前・食後の指示はありません。 急激な投与中止により、不眠症、悪心、下痢、食欲減退等の離脱症状があらわれることがあるため、中止する場合は徐々に減量する等慎重に行います。休薬後の投与再開を検討したデータはありませんが、投与再開初期の副作用、安全性の確保を考慮し、1回5mgを1日2回から投与します。 投薬期間に上限が設けられている新医薬品に該当し、2020年2月末日までは14日分が限度です。 |
Q |
注意すべき患者さまは? |
A |
本剤は腎から速やかに排泄される薬剤のため、腎機能が低下している場合、副作用が発現しやすくなるおそれがあります。腎機能障害のある患者さまには、クレアチニンクリアランス値を参考として投与量及び投与間隔を調節します。 |
Q |
作用機序は? |
A |
電位依存性カルシウムチャネルのα2δサブユニット(α2δ-1サブユニットは特に、神経障害性疼痛において重要な役割を担う)に対して強力かつ特異的、持続的に結合します。Ca2+の流入を抑制することで興奮性神経を抑制し、鎮痛作用を発現すると考えられています。 |
Q |
注意すべき副作用は? |
A |
主な副作用は傾眠、浮動性めまい、体重増加等です。服用中は自動車の運転等、危険を伴う機械の操作に従事させないよう注意します。重大な副作用としてめまい、傾眠、意識消失、肝機能障害が報告されています。 |
Q |
相互作用は? |
A |
主として腎より排泄されるので、分泌に関わるトランスポーターを阻害するプロベネシドやシメチジン、相互に中枢神経抑制作用を増強するおそれがあるロラゼパムやアルコール(飲酒)は併用注意です。 |
Q |
リリカ、サインバルタとの違いは? |
A |
同系統の薬剤であるリリカは「神経障害性疼痛」への適応を持ち、中枢性の痛みにも使用できます。また、「線維筋痛症に伴う疼痛」に対する適応も持っています。主な副作用は同じですがタリージェの方が頻度は少ないとされています。 一方で、抗うつ薬に属するサインバルタは、下行性疼痛抑制系という痛みを抑える神経系を活性化させて鎮痛に働きます。「糖尿病性神経障害、線維筋痛症、慢性腰痛症、変形性関節症」への適応を持ちます。 リリカは運転等不可ですが、サインバルタは注意です。それぞれの特徴を踏まえ、疾患や生活習慣等で使い分けることも検討できます。 |
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