胃もたれや吐き気などに効能効果があるイラクナ、主な作用機序として正しいものは?

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胃もたれや吐き気などに効能効果があるイラクナ、主な作用機序として正しいものは?

    要指導医薬品のイラクナは、イトプリド塩酸塩の単剤で15歳以上から使用できます。イトプリド塩酸塩は、胃や十二指腸に存在するドパミンD2受容体を遮断することによりアセチルコリンの遊離を促進し、さらにアセチルコリンエステラーゼを阻害することで弱った胃腸の運動を活発にします。そのため、イラクナの効能・効果は胃もたれ、胃部・腹部膨満感、食欲不振、胸やけ、吐き気、嘔吐となります。イラクナは、ドパミンD2受容体拮抗薬を配合した唯一のOTC医薬品であり、とくに吐き気や嘔吐には、貴重な選択肢となるでしょう。

    ただし、イラクナは、妊娠中の人や授乳中の人、原因不明の体重減少、繰り返す嘔吐、血便(黒いタール状の便)、発熱の症状がある人などは、してはいけないこと(禁忌)とされており、使用することができません。また、本剤のコリン作用を増強、もしくは減弱させるおそれがあるとして、消化管運動機能改善薬(モサプリドクエン酸塩水和物など)やかぜ薬などとの併用も不可ですので注意しましょう。

    服薬指導POINT

    イラクナは、1日3回食前に服用します。食後に服用することがないよう指導しましょう。

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    鈴木 伸悟(すずき・しんご)さん
    株式会社メディカルガーデン OTCセルフメディケーション推進室 室長。過去に勤めていた大手ドラッグストアでは特定のOTC医薬品販売で全国首位を獲得した経歴を持ち、自身でもSNSを通して薬剤師・登録販売者向けにOTC医薬品の役立つ情報発信を行う。日経DIプレミアムではコラムの連載を持つなど多方面に活躍している。
    ▼公式ホームページ
    https://suzukishingo.com/
    掲載日: 2024/09/27
    ※医薬品情報は掲載日時点の情報となります

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