妊娠初期にメルカゾールを服用していると、催奇形性の恐れがあるため服用は避けるべきです。 バセドウ病の治療では、メルカゾールが第一選択薬となりますが、妊娠12週くらいまで服用していた患者さまにおいて、へそに腸の一部が飛び出る臍帯ヘルニアや頭皮の一部が欠損する異常などが報告されています。 メルカゾールを服用している患者さまが妊活中だとわかった場合、医師に伝えているか確認をして、伝えていないのであれば、催奇形性のリスクがほとんどないチウラジールへの変更を提案しても良いでしょう。変更するときは、メルカゾール10mgをチウラジール150mg相当の効果として用量を換算します。 メルカゾール服用中の患者さまに妊娠が判明したときは、服用を速やかに中止して受診する必要がありますが、チウラジールに切り替えていれば問題はありません。ただし、チウラジールへの変更で、バセドウ病のコントロールが上手くいかない場合、または催奇形性のリスクがほとんどなくなる妊娠中期(妊娠16週以降)では、メルカゾールを投与することもあります。妊娠中の患者さまに禁忌ではないので、患者さまの病態に応じた柔軟な対応が必要になるでしょう。 参考として、授乳中の場合、1日10mg以下のメルカゾール、1日300mg以下のチウラジールであれば、母乳での乳児への甲状腺機能への影響はないとされています。 それ以上の用量であれば、内服6時間後までミルクへの切り替えが推奨されています。また、ヨウ化カリウム丸の服用中は、乳児の甲状腺機能を抑制する恐れがあるので授乳はさけるべきです。 処方監査・服薬指導のPOINTバセドウ病の患者さまは、20〜40歳くらいの女性に多く、なかには妊娠を考えている人も多いでしょう。 女性にメルカゾールが処方されている場合、妊娠初期に服用していると催奇形性の恐れがあることを伝え、近い将来に妊娠する予定があれば、早めに医師または薬剤師に伝えるよう指導しておく必要があります。 |
Q |
妊娠初期のバセドウ病の患者さまに不適とされる薬はどれでしょうか? |
掲載日: 2024/09/24
※医薬品情報は掲載日時点の情報となります
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