トリンテリックス錠
Q |
何のお薬?処方目的は? |
A |
効能・効果は「うつ病・うつ状態」です。 抗うつ剤の一般的な注意事項として、24歳以下の患者で、自殺念慮、自殺企図のリスクが増加、18歳未満の大うつ病性障害患者に対して有用性が確認できなかったとの報告があります。 |
Q |
用法・用量は? |
A |
通常、成人にはボルチオキセチンとして10mg を1日1回経口投与します。治療用量である10mgから開始できる薬剤です。食事は本剤の薬物動態に影響を及ぼさないとされています。なお、1日20mgを超えない範囲で適宜増減できますが、増量は1週間以上の間隔をあけて行います。 抗うつ薬に共通することですが、自己判断での中止や減薬は症状の悪化や治療を長引かせるおそれがあり、急な断薬はリバウンドの原因になることがあります。症状が安定してきても再発防止のため指示通り継続する必要があります。 |
Q |
作用機序は? |
A |
うつ病・うつ状態においては、セロトニン(5-HT)、ノルアドレナリン、ドパミンの不足が関与しているといわれています。 本剤は、5-HT受容体アンタゴニスト作用、5-HT受容体アゴニスト作用及びセロトニントランスポーター(SERT)阻害作用を有しています。これらを介して、複数の神経伝達系に関与することにより、セロトニンだけでなく、ノルアドレナリン、ドパミン、アセチルコリン、ヒスタミンの遊離を調節する新規作用機序を有します。幅広いうつ症状への効果と副作用の軽減が期待されます。 |
Q |
注意すべき副作用は? |
A |
主な副作用は、悪心、傾眠、頭痛等です。眠気、めまい等があらわれることがあるので、自動車の運転等危険を伴う機械を操作する際には十分注意し、眠気等を自覚した場合には、危険を伴う機械の操作に従事させないようにします。重大な副作用としてセロトニン症候群、痙攣、抗利尿ホルモン不適合分泌症候群(SIADH)が報告されています。初期症状に十分注意してください。 |
Q |
相互作用は? |
A |
MAO阻害剤の併用でセロトニン症候群があらわれるおそれがあるためMAO阻害剤投与中又は投与中止後14日間以内の患者には投与禁忌です。本剤投与後にMAO阻害剤を投与する際には14日間以上の間隔をあけることとされています。 代謝には複数のCYPが関わるため相互作用に注意が必要です。その他、セロトニン作用薬や出血傾向が増強する薬剤、アルコールも併用注意です。 |
掲載日: 2021/12/23
※医薬品情報は掲載日時点の情報となります
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