ベネクレクスタ錠
Q |
何のお薬?処方目的は? |
A |
適応症は「再発又は難治性の慢性リンパ性白血病(CLL)(小リンパ球性リンパ腫[SLL]を含む)」「急性骨髄性白血病(AML)」です。 |
Q |
用法・用量は? |
A |
腫瘍崩壊症候群(TLS)の発現を防ぐため、用量漸増期が設けられています。 再発又は難治性のCLL/SLLの場合、通常成人には第1週目に20mg、第2週目に50mg、第3週目に100mg、第4週目に200mg、第5週目に400mgをそれぞれ1日1回7日間食後に経口投与し、その後の維持投与期には、400mgを1日1回食後に経口投与します。 AMLの場合、アザシチジン併用療法では、通常成人には、用量漸増期は1日目に100mg、2日目に200mg、3日目に400mgをそれぞれ1日1回食後に経口投与し、その後の維持投与期には、400mgを1日1回食後に経口投与します。シタラビン少量療法併用では、通常成人には1日目に100mg、2日目に200mg、3日目に400mg、4日目に600㎎をそれぞれ1日1回食後に経口投与し、その後の維持投与期には、600mgを1日1回食後に経口投与します。 |
Q |
作用機序は? |
A |
アポトーシス抑制タンパク質BCL-2に選択的に結合して作用を阻害することにより、アポトーシス促進性タンパク質を活性化し、腫瘍細胞をアポトーシスに誘導すると考えられています。
腫瘍崩壊症候群(TLS)とは?
治療により腫瘍細胞が急速に壊れ、腫瘍細胞に含まれるカリウム・カルシウム・リン・尿酸等が血液中に一気に放出されることにより生じます。治療開始後3日以内に多く発生し、進行すると心不全や腎不全、不整脈等に至る場合があります。
本剤開始前および投与中には定期的に血液検査を行う必要があります。また、投与開始前から、高尿酸血症治療剤の投与を行い、1日当たり1.5~2.0Lの水分を毎日摂取することが推奨されています。
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Q |
注意すべき副作用は? |
A |
重大な副作用に、TLS、骨髄抑制(好中球減少、貧血、血小板減少等)、感染症(肺炎等)があります。CTCAE v.4.0に基づくGrade3または4の副作用が発現した場合、基準に基づき休薬、減量、中止する必要があります。その他の副作用としては、悪心、下痢、嘔吐、食欲減退等の報告が多いですが、疲労、関節痛、頭痛、呼吸困難等の多様な副作用が報告されています。 |
Q |
注意すべき患者さまは? |
A |
重度の肝機能障害(Child-Pugh分類C)の患者では血中濃度が上昇するおそれがあるため、減量を考慮します。小児等を対象とした臨床試験は行われていません。 |
Q |
相互作用は? |
A |
本剤は、主にCYP3Aにより代謝されます。また、P-糖タンパク(P-gp)の基質であり、P-gpを阻害します。そのため、再発又は難治性のCLL/SLLの用量漸増期には、強いCYP3A阻害剤(リトナビル、クラリスロマイシン、イトラコナゾール、ボリコナゾール、ポサコナゾール、コビシスタット含有製剤)は併用禁忌です。同様の理由により、強いCYP3A阻害剤の他、ジルチアゼム、エリスロマイシン等の中程度のCYP3A阻害剤、グレープフルーツ、CYP3A誘導剤(カルバマゼピン、リファンピシン、セイヨウオトギリソウ等)、P-gp阻害剤、治療域の狭いP-gpの基質となる薬剤(ジゴキシン等)との併用に注意が必要です。また、ワルファリンは作用が増強され、アジスロマイシンは作用が減弱するおそれがあります。 |
Q |
飲み忘れた場合の対処法は? |
A |
服用予定時間から8時間以内であれば食事と共に速やかに服用しますが、8時間以上経過した場合は服用せず、翌日から通常通り服用します。 |
掲載日: 2022/08/18
※医薬品情報は掲載日時点の情報となります
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