服薬指導に活かす医薬品情報

シムビコートタービュヘイラー

Q

何のお薬?

A

適応症は「気管支喘息」、「慢性閉塞性肺疾患(慢性気管支炎・肺気腫)の諸症状の緩解」で、いずれも吸入ステロイド剤及び長時間作動型吸入β2刺激剤の併用が必要な場合となっています。

Q

用法・用量は?使用上の注意は?

A

1.「気管支喘息」


●1日2回投与(表)

定期吸入(維持療法) 発作出現時の頓用吸入
1回1吸入

<可>

1吸入行い、数分経過しても発作持続時はさらに1吸入 ※必要に応じ繰り返すが、1回の発作発現につき最大6吸入まで

1回2吸入
1回3吸入 <不可>
1回4吸入

1日最高量は、定期吸入と頓用吸入を合わせて、通常1日8吸入までです。頓用吸入を追加できるのは気管支喘息に対して、かつ医師からの指示がある場合となります。


指示がある場合、一時的に合計12吸入まで増量可能となっていますが、これは病院にたどり着くまでの追加吸入を想定しています。1日8吸入を超える場合や追加吸入の回数が増加した場合は喘息コントロールが十分でない可能性があり、喘息の状態の再評価、維持治療内容の検討が必要です。このような場合は、速やかに医療機関を受診するようあらかじめ指導しましょう。


2.「慢性閉塞性肺疾患」

1回2吸入を1日2回吸入投与します。

本剤は増悪時の急性期治療を目的として使用する薬剤ではなく、過度の使用により不整脈、心停止等の重篤な副作用が発現する危険性があるため、用量・用法を超えて使用しないよう患者さまに指導しましょう。

                

Q

禁忌、原則禁忌は?

A

有効な抗菌剤ない感染症、深在性真菌症の患者、本剤の成分に対して過敏症(接触性皮膚炎を含む)の既往歴のある患者は禁忌です。結核性疾患の患者も原則禁忌です。

           

Q

副作用は?

A

主な副作用に、嗄声、口腔カンジタ症等が報告されています。いずれも喉頭筋や口腔内へのステロイド沈着により生じるため、基本うがいで予防が可能です。うがいはできるだけ吸入直後に行い、丁寧にガラガラ、グチュグチュを数回行うよう指導しましょう。


重大な副作用には、アナフィラキシー、重篤な血清カリウム値の低下があります。

Q

過量投与について

A

ブデソニドの過量投与により副腎皮質系機能が低下するおそれがあります。ホルモテロールはβ2受容体に高い選択性がありますが、過度に使用した場合には、動悸、頻脈、不整脈等全身作用が発現する可能性があるため注意が必要です。

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派遣薬剤師のススメP
掲載日: 2019/11/07
※医薬品情報は掲載日時点の情報となります