服薬指導に活かす医薬品情報

ナルサス錠

Q

何のお薬?処方目的は?

A

適応症は「中等度から高度の疼痛を伴う各種癌における鎮痛」です。モルヒネやオキシコドン等と同じく強オピオイドに分類されます。

Q

用法・用量は?

A

通常、成人には4〜24mgを1日1回経口投与します。症状に応じて適宜増減しますが、増量の目安は使用量の30〜50%増とし、適切な鎮痛効果が得られ副作用が最小となるよう用量調整を行います。本剤の長期投与試験では、最大60mg/日の投与例が1例ありました。 疼痛が増強した場合や、鎮痛効果が得られているのに突発性の疼痛が発現した場合は、ヒドロモルフォン塩酸塩の即放性製剤(商品名:ナルラピド)等の臨時追加投与を行い鎮痛を図ります。

Q

注意すべき副作用は?

A

主な副作用は悪心、嘔吐、傾眠、便秘等です。悪心・嘔吐には制吐剤を、便秘には緩下剤を併用し対処します。また、鎮痛効果が得られている患者で通常と異なる強い眠気がある場合は、過量投与の可能性があるため本剤の減量を考慮します。その他、重大な副作用として依存性や呼吸抑制、意識障害、イレウス等があります。

Q

代謝・排泄経路は?

A

本剤2mg、6mgを単回経口投与したときの尿中未変化体排泄率は約3%と少なく、本剤は主に肝臓で代謝される薬剤です。肝臓ではCYPではなく主にグルクロン酸抱合により代謝されるため、薬物間相互作用は少ないと考えられています。外国において、中等度肝機能障害患者(Child-Pugh分類:7~9)でAUC、Cmaxがそれぞれ約4倍に増加したとの報告があり、肝機能障害のある患者へは慎重投与となっています。 また、同じく外国において、中等度腎機能障害患者(Ccr:40~60mL/min)ではAUCが約2倍に、重度腎機能障害患者(Ccr:30mL/min未満)では約4倍に増加したとの報告があります。このことから、腎機能障害のある患者へも慎重投与となっています。

教育サポートが充実したファルマスタッフの派遣薬剤師はこちらをチェック!

派遣薬剤師のススメP
掲載日: 2020/11/12
※医薬品情報は掲載日時点の情報となります